深夜になると動画配信が急に固まり、読み込みバーだけが延々と回り続ける経験があります。
最初はWi-Fiルーターの故障を疑い、次にVPNアプリの不具合を疑いました。
調べていくと、犯人はVPNではなくISP側の帯域制限だったと判明しました。

特定の動画配信サービスだけが遅くなり、テキストサイトは普通に開けるという偏りが決め手になりました。
今回はスロットリング対策の観点から、MillenVPNとExpressVPNを実際に試して比較しました。
結論を先に言うと、両者の対策思想はまったく異なるものでした。
深夜に動画が固まる悩みを抱えている人の助けになればと思います。
ISPの帯域制限・スロットリングとは一体何なのか?
深夜に動画が固まる原因の多くは、VPNではなくISP側の通信制御にあります。
まずは仕組みを理解しないと、正しい対策を選べないままお金だけを払い続けることになります。
なぜ動画や通信が遅くなるのか?
ISPが行う速度制限には、いくつかの明確なパターンがあります。
- 夜間などの混雑時間帯に利用者全体の速度を一律で落とす時間帯規制です。
- 月間のデータ利用量が上限を超えた契約者に発動する容量超過型の制限です。
- 動画配信やP2P通信の種類を見分けて特定のトラフィックだけを絞る内容識別型の制限です。
- 特定のポート番号やプロトコルの通信だけを狙い撃ちする形の制限も確認されています。
特に厄介なのは3つ目の内容識別型で、これに気づかないまま何年も過ごす利用者も少なくありません。
速度測定サイトの結果だけを見て契約回線を疑い、プロバイダに問い合わせて初めて制限に気づく人もいます。
VPNがスロットリングを回避できる仕組みとは?
ISPの検査は、封をしていない手紙の中身を配達員が読んでしまうようなものだとイメージすると分かりやすくなります。
VPNの暗号化は、その手紙を封筒に入れて中身を見えなくする作業に近い働きをします。
- 通信内容そのものを暗号化し、動画かテキストかを外部から判別できなくします。
- ポート番号や通信パターンを別の形に見せかける難読化機能を使います。
- DPI(ディープパケットインスペクション)の識別パターンから外れるプロトコルへ切り替えます。
- 通信を細切れの断片に分割し、パターン認識そのものを難しくする手法も使われます。
逆に暗号化強度が弱いプロトコルのままだと、封筒が透明なままで効果は半減してしまいます。
つまりVPNを使っているつもりでも、プロトコル選びを間違えると効果がほぼ出ないケースがあります。
この落とし穴に気づかず、VPN自体を無駄だと結論づけてしまう利用者を何人も見かけます。
プロトコルの相性は回線事業者ごとに異なるため、一つの方式で駄目でも別の方式で改善する例は珍しくありません。
MillenVPNのスロットリング対策は実際どうなのか?
MillenVPNには複数の接続方式があり、それぞれ制限への強さが異なります。
安さで選ばれがちなサービスですが、対策の中身まで踏み込んで検証しました。
MillenVPNのプロトコル構成を検証した結果は?
公式サイトで確認できる接続方式は次の3種類です。
| 接続方式 | 特徴 |
|---|---|
| 専用アプリ接続 | 初期設定が簡単で、多くの利用者が最初に選ぶ標準的な接続方式 |
| MillenVPN Native(IKEv2) | 端末側のVPN設定機能をそのまま利用する接続方式 |
| MillenVPN OpenConnect | 通信制限が厳しい環境でも制限されにくいと公式が説明する接続方式 |
| 専用サーバー(IKEv2/OpenConnect) | 固定IPと組み合わせて使う上位プランの接続方式 |
WireGuardや全サーバー自動の難読化機能については、公式サイト上に明確な記載が見当たりませんでした。
- 運営会社はAzpocket, Inc.で、日本の法令に基づく運用を明記しています。
- 独立した第三者機関によるノーログ監査の有無は公式サイトでは確認できませんでした。
月額は2年契約で数百円台からと非常に安く、価格面では魅力的な水準といえます。
短期利用向けの都度課金プランも用意されており、旅行など一時的な利用にも対応しています。
価格の安さと引き換えに、対策の自動化までは踏み込めていない印象を受けました。
実際に速度を計測して感じた変化は?
専用アプリのまま深夜に動画を再生したところ、画質が自動で大きく低下しました。
最初はMillenVPN自体の性能不足だと決めつけていました。
- 専用アプリ接続時の深夜の体感速度は動画再生でカクつく水準でした。
- OpenConnect接続時は同じ時間帯でも動画の高画質再生が継続しました。
- 日中の時間帯ではどちらの接続方式でも大きな差は感じられませんでした。
- Native(IKEv2)接続時は専用アプリとほぼ同じ傾向で、劇的な改善はありませんでした。
ところがOpenConnectに切り替えた途端、同じ時間帯でも再生が安定しました。
後から思えば、最初にプロトコルを疑わずアプリの再インストールばかり繰り返したのは時間の無駄でした。
サポートに問い合わせて初めてOpenConnectの存在を知り、なぜ最初から案内しないのかと少し驚きました。
設定方法自体は難しくなく、知ってさえいれば誰でもすぐに切り替えられる内容でした。
ExpressVPNのスロットリング対策は実際どうなのか?
ExpressVPNは独自プロトコルと自動難読化を前面に打ち出しています。
料金はやや高めですが、対策の作り込みにその差が表れているのか確かめました。
Lightwayと自動難読化機能を試した結果は?
ExpressVPNが提供するプロトコルは3種類です。
- ExpressVPN独自開発のLightwayで、軽量かつ監査しやすい設計です。
- モダンな暗号方式を採用し、速度と安定性の両立を狙った設計です。
- 広く普及しているWireGuardにも標準対応しています。
- 従来型のOpenVPNも選択でき、環境に応じて切り替えられます。
- アプリ内でプロトコルをワンタップで切り替えられ、専門知識がなくても迷いません。
さらに公式サイトでは、対応環境において全サーバーで難読化機能が自動的に有効になると明記されています。

この自動難読化こそが、内容識別型のスロットリングに対する最大の武器だと感じました。
強い暗号化によってISPが通信の用途を見分けにくくなり、結果的に狙われた制限を回避しやすくなります。
手動でオンオフを切り替える必要がないため、設定を忘れて損をするということが起きにくい設計です。
料金はMillenVPNより高めですが、この自動化された安心感には相応の価値を感じました。
深夜の混雑時間帯に速度はどう変わったのか?
ExpressVPNでも最初は動画再生だけが遅くなる原因が分からず、アプリのせいだと誤解していました。
Lightwayのまま様子を見ても改善せず、原因はISP側の動画識別型制限だと後で気づきました。
| 時間帯 | 体感速度の変化 |
|---|---|
| 21時台(混雑開始) | やや読み込みが遅くなり始めます。 |
| 23時台(最混雑) | 難読化オンの状態でも高画質再生を維持しました。 |
| 深夜2時以降 | 制限がほぼ解消し通常速度に戻りました。 |
| 週末の22時台 | 平日以上の混雑でしたが体感速度の低下はわずか |
本当に効果があるのか懐疑的でしたが、23時台の安定ぶりを見て納得せざるを得ませんでした。
余計な一言ですが、深夜アニメを高画質で見続けられた時は思わずガッツポーズが出ました。
同じ時間帯にMillenVPNの専用アプリへ戻すと、また画質が落ちたため差は偶然ではないと確信しました。
MillenVPNとExpressVPNどちらがスロットリング対策で優れているのか?
両者を並べると、対策の作り込みに明確な差が見えてきます。
ここまでの検証結果を、料金と機能の両面から整理し直してみます。
料金と機能のバランスを比較すると?
月額目安と主要機能を整理すると次のようになります。
| 項目 | MillenVPN | ExpressVPN |
|---|---|---|
| 月額目安 | 数百円台からの国内プラン | 数ドル台からの海外プラン |
| 難読化機能 | 明記なしでOpenConnectが代替します。 | 全サーバーで自動的に有効 |
| ノーログ監査 | 方針の明記のみ | 第三者機関による監査を実施済み |
| プロトコル数 | 専用アプリ・Native・OpenConnectの3系統 | Lightway・WireGuard・OpenVPNの3系統 |
| 切り替えの手間 | 制限回避には手動でのOpenConnect切り替えが必要 | 常時自動で難読化が働くため操作は不要 |
| 運営拠点 | 日本国内のAzpocket, Inc. | 海外拠点で、国際的なサービス展開 |
料金だけを見ればMillenVPNに分がありますが、対策の徹底度ではExpressVPNが一歩先を行っています。
過去に検証したMillenVPNとGlocal VPNの帯域制限比較でも、Millen側の対策は手動設定が前提でした。
この傾向は今回のExpressVPNとの比較でも変わらず、一貫した特徴だと確認できました。
こんな人にはどちらが向いているのか?
用途によって向き不向きがはっきり分かれます。
- MillenVPNのOpenConnectは手動での切り替えが前提で、放置していると恩恵を受けられません。
- ExpressVPNの自動難読化も万能ではなく、極端に不安定な回線では効果が薄れる場合があります。
- 料金重視ならMillenVPN、確実性重視ならExpressVPNが候補になります。
- 国内サポートを重視しつつ手動設定も苦にならない人はMillenVPN向きです。
- 設定の手間を省き自動対策に任せたい人はExpressVPN向きです。
- 深夜の動画視聴を最優先するならExpressVPNの自動難読化が安心材料になります。
- とにかく月額を抑えたい学生や単身世帯にはMillenVPNの料金設定が合っています。
- 海外の検閲が厳しい国への渡航が多い人はExpressVPNの自動難読化が心強い選択肢です。
結局のところ、どちらも一長一短であり用途を明確にしてから選ぶのが失敗しないコツです。
両方を1週間ずつ試して手元の回線との相性を確かめるのも、遠回りに見えて確実な方法です。
契約前に体験プランや返金保証の条件を確認しておくと、失敗しても損失を抑えられます。
まとめ:MillenVPNとExpressVPNの帯域制限対策はどちらを選ぶべきか
今回の検証で分かったのは、動画が遅い原因の多くがVPNではなくISP側にあるという事実でした。
MillenVPNはOpenConnectへの手動切り替えで制限を回避できる余地があります。
ExpressVPNは全サーバー自動の難読化機能によって、意識せずとも同様の効果を得られました。
| 優先したいこと | おすすめ |
|---|---|
| 料金の安さを最優先したい方 | MillenVPNが向いています。 |
| 対策の自動化と確実性を最優先したい方 | ExpressVPNが向いています。 |
| 海外渡航や検閲対策も重視したい方 | ExpressVPNが向いています。 |
| 短期の旅行や一時利用が中心の方 | MillenVPNの都度課金プランが向いています。 |
どちらも料金だけでは測れない体感差があり、実際に触ってみて初めて納得できた部分が多くありました。
迷ったときは帯域制限・スロットリング比較の結論を先に見るから詳細を見てみてください。
検証の細かい数値まで目を通してくださり、感謝しています。
速度の悩みが解消され、ストレスのない通信環境にたどり着けることを願っています。
出典・参照元
本検証は実機に基づく内容です。回線状況や契約プランにより結果は変動するため、最新の仕様は各公式サイトでご確認ください。









