NordVPNの「Double VPN」をきっかけに、マルチホップという言葉を知った人は多いのではないでしょうか。
2台のサーバーを経由して通信を二重に暗号化する仕組みと聞くと、MillenVPNやExpressVPNにも似た機能がありそうな気がしてきます。
実際に両社の公式サイトとアプリを隅々まで確認したところ、意外な共通点と、その裏にある設計思想の違いが見えてきました。
ここから先は検証の順番どおりに、MillenVPNから確認していきます。
公式情報だけでなく、実機での挙動まで含めて突き合わせていきます。マルチホップという聞き慣れない機能の記事を選んでくれて、ありがとうございます。
MillenVPNにマルチホップ機能はあるのか?
公式サイトの機能一覧とアプリの設定画面を確認した結果を先に伝えます。

公式サイトの記載から分かること
国産VPNだからこそ、上級者向け機能の扱いにも独自の判断がありそうだと考えました。
MillenVPNの公式サイトには、ノーログポリシーや同時接続台数、対応プロトコルの説明が並んでいます。
しかしマルチホップや二重VPNという言葉は、機能ページにも料金ページにも見当たりませんでした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| マルチホップ表記 | 公式サイトになし |
| 主な強み | 2,000台超のサーバー網 |
| 拠点数 | 140以上 |
代わりに強調されているのは、日本法に基づく運営体制と豊富なサーバー網です。
結論を先に言うと、探し方を変えても答えは変わりませんでした。
サーバー規模の記載は詳細でも、経路を二重化する機能への言及は一切ありませんでした。
アプリの設定画面を実際に確認した結果
Windows版アプリを開き、接続方法やプロトコルの切り替え画面を一通り確認しました。
サーバーを2つ選んで経由させるメニューは存在せず、選べるのは単一の接続先サーバーのみでした。
中国など通信規制が厳しい地域向けのNative OpenConnectも試しましたが、単一サーバーへの安定接続が目的の機能でした。
探せば見つかるはずだという思い込みが外れた瞬間、少し肩の力が抜けました。
Mac版アプリでも同じ画面構成で、経由サーバーを増やす選択肢はありませんでした。
iOS版とAndroid版のアプリも確認しましたが、表示されるメニューは同一でした。
ExpressVPNにDouble VPN相当の機能はあるのか?
公式サイトの機能ページで確認した内容
NordVPNが看板機能にしている以上、ライバルにも何かしら用意されていると予想していました。
ExpressVPNの公式機能ページには、TrustedServerというRAMのみで稼働するサーバー技術が大きく掲載されています。
自動難読化やLightwayプロトコル、キルスイッチなども並びますが、Double VPNという表記は見つかりませんでした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Double VPN表記 | 公式ページになし |
| 代わりの技術 | TrustedServerと自動難読化 |
| 展開国数 | 105カ国 |
実際に調べてみると、その予想は良い意味で裏切られる結果になりました。
NordVPNと違い、複数サーバーを経由させる機能そのものを前面に出していない構成です。
速度と安定性を優先する設計思想が、表からもうかがえます。
- サポートページのFAQを「Double」「multi-hop」で検索しました。
- 海外レビューサイトの機能比較表も確認しました。
- 公式ブログの過去の告知も一通りさかのぼりました。
- SNS公式アカウントの投稿履歴も念のため確認しました。
- 海外向けのプレスリリースにも該当の記述はありませんでした。
手動での二重接続は現実的なのか試した結果
OpenVPN設定ファイルを使えば手動で多段接続ができるという情報を見つけ、実際に試そうとしました。
ところがExpressVPNが配布する設定ファイルは、公式アプリ経由の自動接続を前提にした作りでした。
ルーターや別端末を中継させる自作の多段接続は、公式サポート対象外で失敗時の切り分けが困難でした。
手動多段接続を試みて分かった壁を整理します。
- 設定ファイルは単一サーバー接続用に最適化されています。
- 2台目のVPN機器を個別に用意して設定する必要があります。
- 公式サポートの対象外になるため不具合の切り分けが難しくなります。
- 通信の遅延も二重に発生するため速度面の負担が大きくなります。
- 途中で接続が切れても自動で復旧してくれる仕組みがありません。
- 正しく暗号化されているかを検証する手間も利用者側の負担になります。
- 接続先を変えるたびに設定ファイルを作り直す必要があります。
正直、休日を半日使っても安定動作までは持ち込めず、途中で諦めました。
公式サポートに問い合わせても、多段接続の推奨手順は案内されませんでした。
チャット担当者の返答も「該当機能は現在提供していません」という一文のみでした。
なぜ両社ともマルチホップを搭載していないのか?
単に開発が遅れているのではなく、それぞれ別の理由で見送っている様子がうかがえます。
MillenVPNが選んだ日本国内サービスとしての方向性
両社の公式発表や運営方針を突き合わせると、優先順位の違いがはっきり見えてきました。
MillenVPNは日本法に基づくクリーンな運営体制と、シンプルな接続体験を強みにしています。
二重VPNは設定の複雑さゆえに問い合わせ対応の負荷が増えやすく、国内サポート重視の路線とは相性が良くありません。
機能の有無だけでなく、なぜその選択に至ったのかまで踏み込んで整理します。
その代わりに固定IPオプションや専用サーバーといった、法人利用にも耐える付加価値で差別化を図っています。
問い合わせへの対応品質を落とさない範囲で、機能を絞り込んでいる印象を受けました。
あわせて確認した内容も紹介します。
- サポート窓口に上級者向け機能の要望状況を確認しました。
- 国内利用者の傾向についても聞き取りました。
ExpressVPNが選んだ単一サーバー高速化という方向性
ExpressVPNは全サーバーで自動難読化とLightwayを標準化し、経由サーバーを増やさずに安全性を担保する設計です。
2台のサーバーを経由させれば速度は確実に落ちるため、体感速度を重視するブランドとしては採用しにくい機能とも言えます。
ForbesやCNETなど海外メディアの評価軸も速度と使いやすさに寄っています。
| 技術 | 役割 |
|---|---|
| TrustedServer | 侵害時のログ非残存 |
| Lightway | 速さと省電力性 |
| 自動難読化 | 規制地域での接続維持 |
経路の複雑化より単純明快さを選んだように見える結果でした。
105カ国という展開規模自体が、経路を増やさなくても十分な選択肢になっています。
拠点が多いほど混雑の少ないサーバーを選びやすく、結果的に速度の底上げにつながります。
実測で確認できたポイントを補足します。
- 速度計測サイトでの実測でも上位クラスの数値が出ていました。
- 混雑時間帯でも極端な速度低下は見られませんでした。
- 複数の地域サーバーで同様の結果を再確認しました。
二重VPNが本当に必要になるのはどんな人?
機能がないと分かった上で、実際に困る人がいるのかを整理します。
二重VPNのメリットと引き換えになるデメリット
ないと分かって終わりにせず、代わりに何が使えるのかまで確認しておきます。
二重VPNは通信を2段階で暗号化し、接続元の特定をさらに難しくする仕組みです。
その一方で経由サーバーが増える分、速度低下と設定の複雑化という代償が発生します。
| 比較軸 | 変化 |
|---|---|
| 匿名性 | 特定の難易度が上昇 |
| 通信速度 | 経由数に応じて低下 |
| 設定の手間 | 単一接続より増加 |
読み進めれば、二重VPNが必要かどうかを判断する材料がそろうはずです。
日常的な動画視聴やオンラインゲームでは、この代償がメリットを上回ってしまうケースがほとんどです。
メリットとデメリットは表裏一体で、目的次第で評価が逆転します。
用途別に見えてきた傾向を補足します。
- 数字だけ見ると二重VPNは万能に思えますが実態はそう単純ではありません。
- 体感速度が命の動画視聴やゲーム用途では代償が特に重くなります。
- 公共Wi-Fi利用が中心なら通常のVPNでも暗号化は十分に機能します。
- 複雑な設定に不慣れな人ほど恩恵より手間の方が大きくなります。
- 法人向けプランの導入事例でも二重VPNの採用例は多くありませんでした。
- 今後の機能追加の公開ロードマップにも記載は見当たりませんでした。
MillenVPNとExpressVPNのどちらを選んでも困らない人の条件
本当にこれで大丈夫なのかと不安になる人もいるかもしれませんが、条件を整理すると答えが見えてきます。
公共Wi-Fiでの盗聴対策や海外動画配信の視聴が目的なら、通常のVPN接続で暗号化は十分に機能します。
専門家によるVPN解説でも、二重VPNは上級者向けの補助機能と位置づけられており、日常利用では通常のVPNで足りるという見解が目立ちました。
逆にジャーナリストや機密情報を扱う仕事なら、この判断は変わってきます。
取材先の情報源を守る立場なら、多少の速度低下より匿名性の高さを優先すべき場面です。
そうした特殊な要件がない限り、両社の標準機能だけで実用上の不満は出にくいはずです。
まとめ
MillenVPNとExpressVPNは、どちらもマルチホップ(二重VPN)機能を搭載していませんでした。
出典・参照元
ここまでの比較で自身に合う方が見えてきた方は、二重VPN対応サービスの料金を比較するのもおすすめです。
マルチホップの違いまで読み進めてくださった方に、ありがとうございました。
必要な時に迷わず選べる安心感を持っていただけたら嬉しいです。
本記事は2026年9月時点の公式サイト記載と実機検証に基づきます。仕様は変更される場合があるため、契約前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
マルチホップの仕組みへの不安がなくなり、より安心してネットを使える毎日になりますように。


