出張先のホテルでスマホのテザリングをオンにして、ノートパソコンで仕事のメールを開いた瞬間がありました。
「あれ、このパソコン側の通信って本当にVPNで守られているんだっけ」と手が止まりました。
その場では答えが出せず、結局そのまま少し不安を抱えながら作業を続けた記憶があります。

結果から言うと、両者の答えは似ているようで、台数の余裕という点でまったく違う顔を見せました。
そもそもの発端は、仕事の移動中にパソコンを使う機会が増え、テザリングが日常になったことでした。
その中で「本当に守られているのか」という素朴な疑問を放置できなくなったのが今回のきっかけです。
実機での挙動確認と公式情報の両方を突き合わせ、感覚ではなく根拠のある比較を目指しました。
見落としがちなテーマだけに、感覚論で終わらせない答えになればと思います。
そもそもテザリング中の端末はVPNで守られているのか?
結論から言うと、スマホでVPNを起動しているだけでは、テザリング先の端末は自動的には守られません。
この前提を理解しないまま使うと、思わぬところで保護が抜け落ちてしまいます。
スマホ側VPNの保護範囲はどこまでか
VPNは家全体にかける傘ではなく、一人だけが着られるレインコートのようなものだとイメージすると分かりやすいです。
スマホという体にレインコートを着せても、隣を歩くテザリング先のパソコンまで濡れずに済むわけではありません。
- スマホ本体の通信は、VPNアプリのトンネルを通ります。
- テザリングで共有されるのは、インターネット回線そのものです。
- 共有された回線の上にある暗号化トンネルは、テザリング先には引き継がれません。
AndroidもiPhoneも、標準のテザリング機能は回線を共有する仕組みにすぎません。
VPNの暗号化状態までは、テザリング先の端末に共有されない設計になっています。
テザリング元のスマホがVPNで暗号化されていても、テザリング先の端末の通信は別ルートとして扱われます。
テザリング先でも保護したい場合は、その端末自身にVPNアプリを入れて個別に接続する必要があります。
| OS | 標準テザリング機能とVPN共有の関係 |
|---|---|
| Android | 接続先の通信はVPNトンネル非経由で直接インターネットへ |
| iPhone | 同様に、テザリング先の通信はVPN暗号化対象外 |
テザリング特有の見落としポイント
実際にやりがちな失敗を並べてみると、原因はだいたい3パターンに集約されます。
どれも技術的には単純なミスですが、旅先やカフェでは意外なほど起こりやすいと感じています。
- スマホのVPNオンを確認して満足し、パソコン側の設定を忘れます。
- パソコン側VPNアプリの自動接続がオフのまま気づきません。
- ホテルのポータル認証中にVPNが切れたまま放置してしまいます。
以前、深夜特急バスの車内でスマホからテザリングし、ノートパソコンで作業したことがありました。
スマホのVPNは接続済みでしたが、パソコン側のVPNアプリを起動し忘れたまま30分ほど作業していました。
後で気づいて青ざめましたが、公衆Wi-Fiではなくスマホの回線だったため実害はありませんでした。
本当にテザリング先の端末も守られているのか、この一件までは半信半疑でした。
この一件以来、テザリング時は両方の鍵マークを目で確認することをルールにしています。
NordVPNはテザリング環境でどう機能するのか?
NordVPNはテザリングという言葉こそ前面に出していませんが、公式情報を見ると挙動は明確です。
まずは台数と拠点という基本情報から、テザリングとの相性を確かめていきます。
NordVPN公式が示す接続台数と対応デバイス
NordVPNは1つのアカウントで、パソコン・スマホ・タブレットなど最大10台まで同時に接続できます。
| 項目 | NordVPNの内容 |
|---|---|
| 同時接続台数 | 最大10台まで対応 |
| 対応OS | Windows・Mac・iOS・Android・Linuxなど幅広く対応 |
| ルーター対応 | 対応ルーター経由での常時接続も可能 |
| 拠点 | データ保持義務のないパナマ共和国に法人登録 |
この10台という枠のおかげで、スマホとテザリング先のパソコンの両方に別々にNordVPNを入れても余裕があります。
枠に余裕があるほど、家族の端末をまとめて面倒見る役割も引き受けやすくなります。
対応ルーターにNordVPNを設定しておけば、テザリングを使わずとも自宅の全端末を常時保護できます。
外出先ではテザリング、自宅ではルーター常時接続と使い分ければ、台数の心配はほぼ不要でした。
NordVPNはノーログポリシーについて、Deloitteによる第三者監査を複数回受けています。
パナマという法域も含めて、記録を残しにくい体制を取っている点が特徴です。
ホットスポット接続時の実際の挙動
実際にiPhoneでNordVPNをオンにしたままテザリングを開始し、検証してみました。
Windowsノートパソコンでも別途NordVPNアプリを起動し、東京サーバーへ接続しました。
- スマホ側は、NordVPN接続中かつテザリングONの状態でした。
- パソコン側は、NordVPNアプリを個別に起動して東京サーバーへ接続しました。
- 結果として、パソコン側のIPアドレスもNordVPNのサーバーIPに変わりました。

正直なところ、10台も同時接続できて何に使うのだろうと思っていました。
ですがテザリング先の端末を数えると、枠は意外にすぐ埋まることに気づかされました。
キルスイッチが効いているから接続先も安全だろうと油断しかけました。
実際は端末自身の通信を止める機能で、テザリング先までは対象外でした。
Glocal VPNはテザリング環境でどう機能するのか?
日本製VPNのGlocal VPNは、NordVPNとは接続台数の設計思想がまったく違います。
この違いがテザリングの使い勝手にどう響くのか、具体的に確かめていきます。
Glocal VPNの1台制限とテザリングの相性
Glocal VPNは、1つのアカウントにつき同時接続が1台までという明確な制限を設けています。
| 項目 | Glocal VPNの内容 |
|---|---|
| 同時接続台数 | 1台のみ |
| 複数台利用の方法 | 追加ライセンスの別途購入が必要 |
| 料金の目安 | 1ヶ月コースでおよそ1,210円 |
| 強み | 日本語サポートと固定IPオプションが強み |
Glocal VPNは5台ではなく、1台までという制限です。
スマホでGlocal VPNを使いながら、テザリング先のパソコンでも別接続を張ろうとすると、アカウントの上限に触れる可能性があります。
旅行先で子ども用タブレットもテザリング経由でつなごうとしたところ、上限で弾かれてしまいました。
| 場面 | Glocal VPNでの対応 |
|---|---|
| 1人で1台を使う旅行 | 1台制限のままで問題なく利用可能 |
| 家族で複数端末を使う旅行 | 追加ライセンスの購入を事前に検討要 |
本当にこの制限でテザリングは実用に耐えるのか、検証前は懐疑的でした。
複数端末を想定するなら、事前にライセンス構成を決めておくべきだと痛感しました。
テザリング設定で注意すべき手順
公式の案内でも、テザリングを使う際は実際に通信する端末側で設定することが明記されています。
- スマホをテザリング元として使うだけなら、スマホ側でGlocal VPNを切ってもかまいません。
- 通信の主役がパソコンなら、パソコン側にGlocal VPNを入れて接続します。
- スマホとパソコンの両方で同時にオンにしたい場合は、追加ライセンスが必須です。
実際に試すと、スマホ側のGlocal VPNをオフにしてテザリングだけを行いました。
パソコン側でGlocal VPNアプリにログインして接続する流れが、最もスムーズでした。
逆にスマホ側をオンにしたままだと接続が競合し、パソコン側でエラーが出ることもありました。


1台だからこそ、今どちらの端末で使っているかを意識する癖がつくのは思いがけない発見でした。
一方で家族旅行など複数人が同時にテザリングとVPNを使いたい場面では、1台制限は正直かなり窮屈に感じました。
二つのサービスをテザリング軸で比較するとどちらが向いているのか?
ここまでの検証結果を踏まえて、テザリングという切り口だけに絞って両者を並べてみます。
数字と実際の使用感の両方を並べることで、机上の比較にならないよう意識しました。
比較表で見る違い
台数の余裕、設定の手間、料金という3つの軸で見ると、向き不向きがはっきり分かれました。
| 比較項目 | NordVPN | Glocal VPN |
|---|---|---|
| 複数端末での同時テザリング利用 | 10台枠内で余裕あり | 1台制限でやや窮屈 |
| 設定の手間 | 両端末に同じアプリを入れるだけ | 使う端末を都度切り替える意識が必要 |
| 料金感 | 複数端末利用でもコスパ良好 | 1ヶ月単位で試しやすい |
料金だけを見るとGlocal VPNのほうが手を出しやすく見えますが、テザリング利用では単純比較できません。
1台分の料金と複数端末をまとめて守れる料金を同じ土俵で比べるのは、そもそも公平ではないと感じました。
何台を同時にテザリング保護したいかを先に決めてから、料金を比べるのが正しい順番だと考えています。
利用シーン別のおすすめ
結局のところ、どちらが優れているかではなく使い方に合っているかで選ぶべきだという結論に落ち着きました。
検証前は正直、料金が安いGlocal VPNのほうを推したくなる気持ちがありました。
- スマホとパソコンを同時にテザリング環境で守りたい人には、NordVPNが向いています。
- 短期の旅行や単体端末での利用が中心なら、Glocal VPNでも十分です。
- 家族や複数人でテザリングを共有するなら、NordVPNの台数枠が安心材料になります。
- 固定IPを使った国内サービスの利用が目的なら、Glocal VPNの強みが生きます。
検証を終えて感じたのは、料金の安さだけでテザリング適性を判断するのは危険だということでした。
接続台数という地味な数字こそ、テザリングという使い方では最も効いてくる条件だと実感しています。
余計な一言ですが、テザリングという言葉が死語になりつつある今、この検証をすること自体が少し懐かしい気持ちになりました。
ここまでの内容に加えて、読者から寄せられやすい疑問も簡単に補足しておきます。
迷ったときは公式サイトの最新情報を優先して確認することをおすすめします。
まとめ
テザリング中の端末は、スマホ側のVPNだけでは守られず、接続先の端末にも個別のVPN接続が必要だと分かりました。
これはNordVPNやGlocal VPNに限らず、VPNという技術そのものに共通する原則です。
NordVPNは10台という同時接続枠のおかげでテザリング先も含めた複数端末運用がしやすく、Glocal VPNは1台制限のため端末ごとに使い分ける意識が求められます。
どちらのサービスを選ぶにしても、テザリング先の端末は別扱いだという前提だけは必ず覚えておく価値があります。
同じNordVPNを軸にした比較では、MillenVPNとNordVPNのテザリング対応を比べた内容も参考になります。
ExpressVPNとの組み合わせなら、ExpressVPNとNordVPNのテザリング対応を比べた内容も判断材料になります。
ここまでの比較でご自身に合う方が見えてきた方は、テザリング対応VPNの料金を比較するのもおすすめです。
検証を通じて、テザリングという地味な使い方こそVPN選びの本質が表れると感じました。
この内容を最後までご覧いただき、ありがとうございました。
抱えていた疑問が解消され、気持ちよくネット環境を整えられますように。
出典・参照元
本コンテンツの情報は執筆時点の公式サイト・公開情報に基づきます。最新の仕様は必ず各公式サイトでご確認ください。









