スマホでVPNアプリをオンにしてから、そのままノートパソコンをテザリングでつないだことはありませんか。
「スマホが守られているなら、テザリング先のパソコンも当然守られているはずだ」と思い込んでしまいがちです。
ですが、この思い込みこそがテザリング利用時にもっとも多い落とし穴だと筆者は実感しています。

今回はテザリング中のVPN設定の基本を踏まえたうえで、MillenVPNとNordVPNという方向性の異なる2サービスを実際に使い、テザリング時の挙動を検証して比較しました。
どちらも公式サイトにテザリングという言葉を名指しした専用ページは用意していません。
だからこそ、実機での挙動確認と技術的な原則の両面から掘り下げる必要があると考えました。
結論を先に言うと、両社とも「テザリング先は自動で守られない」という同じ原則の上に成り立っています。
テザリングの悩みは日常的な分、思い当たる人も多いはずです。
テザリング中の端末はVPNでどこまで守られるのか?
まずはMillenVPNやNordVPNといった個別サービスの話に入る前に、VPNとテザリングの根本的な関係を整理しておきます。
スマホでVPN接続していればテザリング先も安全なの?
筆者は以前、カフェでスマホにNordVPNを接続した状態でノートパソコンをテザリングし、資料作業をしたことがあります。
その際「スマホの画面にVPN接続中のアイコンが出ているから、パソコンの通信も暗号化されている」と勝手に判断してしまいました。
後で調べてみると、これは技術的な仕組みを誤解した典型的な失敗だったとわかりました。
本当にテザリング先まで守られていないのか、当時は半信半疑でした。
ですが通信ログを比較すると、答えは明確でした。
パソコン側の通信はスマホのVPNトンネルを通らず、保護の対象外のまま外に出ていました。
画面の見た目だけでは判断できないからこそ、実際のIPアドレスで確認する習慣が欠かせません。
VPNの保護範囲は「回線」ではなく「端末」って本当?
ここは多くの人がつまずくポイントなので、身近な例に置き換えて考えてみます。
VPNは、家全体に張るセキュリティネットではなく、1人だけが着られる防護服のようなものです。
スマホという1人がその防護服を着ていても、テザリングで隣に立つパソコンという別の人まで守られるわけではありません。
| 誤解しがちな考え方 | 実際の仕組み |
|---|---|
| スマホでVPN接続すれば回線全体が暗号化される。 | VPNは接続した端末単位でしか暗号化されません。 |
| テザリング先のパソコンも自動で保護される。 | パソコン側にもVPNアプリの導入と接続が必要 |
余計な一言ですが、この誤解はスマホに慣れた人ほど陥りやすいと感じています。
普段からスマホ1台で完結する生活をしていると、パソコンも同じ扱いだと錯覚してしまうからです。
この錯覚に気づいてからは、テザリングを使う前に必ず接続先の端末を確認するようにしています。
MillenVPNのテザリング対応を実際に検証してみた結果は?
国産VPNとして知られるMillenVPNについて、公式情報と実機での挙動をあわせて確認しました。
MillenVPNの公式情報とテザリング時の挙動
MillenVPNの公式サイトには、テザリングという言葉を名指しした個別ページは見当たりませんでした。
そこで、スマホにMillenVPNを接続したままテザリングでタブレットをつなぎ、タブレット側のIPアドレスを確認する検証を行いました。
結果として、タブレット側はスマホの契約回線を借りているだけで、VPNサーバー経由の暗号化は一切適用されていませんでした。
実は筆者はこの検証をする前、旅行先の宿でも似たようなミスを重ねています。
宿の部屋でスマホのMillenVPNをオンにしたままタブレットをテザリングし、疲れていたこともあってそのまま宿泊サイトにログイン情報を打ち込んでしまいました。
後から考えると、タブレット側はVPNトンネルを通らない通信のままだったことになります。
| 端末 | 検証結果 |
|---|---|
| スマホ単体 | MillenVPNのサーバー経由のIPアドレスに変化 |
| テザリング接続したタブレット | 契約回線そのままのIPアドレスで変化なし |
| タブレットにもアプリを追加接続 | タブレット側もサーバー経由のIPアドレスに変化 |
MillenVPNで同時接続台数無制限は何を意味するのか?
MillenVPNは2024年11月から同時接続台数の上限を撤廃しました。
台数を気にせず使える仕様になったことで、テザリング運用にも変化がありました。
- スマホにMillenVPNアプリを入れて接続します。
- テザリング先のパソコンやタブレットにも同じアカウントでアプリを入れます。
- それぞれの端末で個別にVPN接続をオンにします。
余計な一言ですが、台数無制限と聞くと「回線ごと守ってくれる」と誤解しやすいので注意が必要です。
運営元のAzPocket株式会社は総務省届出の電気通信事業者です。
1週間や30日といった短期プランも用意されているため、テザリング運用を試してから長期契約に切り替えることもできます。
短期プランで複数端末に接続する流れを一度試しておくと、長期契約後に戸惑うことが少なくなります。
実際に筆者もまず7日間プランで複数端末への接続手順を確かめてから、2年契約に切り替えました。
NordVPNのテザリング対応を実際に検証してみた結果は?
世界的に利用者の多いNordVPNについても、同じ手順でテザリング時の挙動を確認しました。
NordVPNの公式情報とテザリング時の挙動
NordVPNの公式サイトでも、テザリングを主題にした専用ページは公開されていませんでした。
代わりに見つかったのは、ルーターへの設定方法を案内したページと、Meshnetというデバイス間接続機能の紹介でした。
スマホにNordVPNを接続した状態でパソコンをテザリングし、パソコン側のIPアドレスとDNS情報を確認しました。
結果はMillenVPNと同様で、パソコン側はVPNトンネルを通らない通信のままでした。

| 端末 | 検証結果 |
|---|---|
| スマホ単体 | NordVPNのサーバー経由のIPアドレスに変化 |
| テザリング接続したパソコン | 契約回線そのままのIPアドレスとDNSで変化なし |
| ルーターに設定した場合 | 配下の端末をまとめて保護できる案内が公式に用意済み |
NordVPNは10台までの接続枠をどう使うべきか?
NordVPNは1つのアカウントで最大10台までの同時接続に対応しています。
テザリング元のスマホと、テザリング先のパソコンやタブレットのそれぞれにアプリを入れて接続すれば、枠内で複数端末を個別に守れます。
本当にこの台数で家族分まで足りるのか筆者も不安でした。
ですが外出先で使う端末を絞ってみると、十分な余裕があるとわかりました。
- スマホのみVPN接続:テザリング先は保護されません。
- 各端末に個別にアプリを入れて接続:10台まで個別に保護されます。
- ルーターにVPNを設定:配下の端末をまとめて保護できます。
Nord Securityが運営し、拠点はパナマにあります。
通信記録の開示を求められにくい法域という点も、評価材料になります。
Deloitteによるノーログ方針の監査を複数回受けている実績も、法域の話とあわせて安心材料になります。
MillenVPNとNordVPNのテザリング設計はどちらが安心?
ここまでの検証結果を踏まえて、料金や信頼性まで含めて2社を並べて整理します。
料金・運営会社・信頼性を比較
まず気になる料金と運営体制、監査実績を並べてみました。
数字だけを見るとMillenVPNの台数無制限が魅力的に映りますが、監査実績の有無も見逃せない要素です。
| 比較項目 | MillenVPN | NordVPN |
|---|---|---|
| 同時接続台数 | 無制限 | 10台まで |
| 月額目安 | 2年契約で360円から | キャンペーンにより変動 |
| 運営会社・拠点 | AzPocket株式会社、日本 | Nord Security、パナマ |
| ノーログ方針の監査 | 公表情報は限定的 | Deloitteによる第三者監査を複数回実施 |
台数を気にせず端末を増やしていきたいならMillenVPNに分があります。
第三者監査という裏付けを重視するならNordVPNに分があります。
どちらを選んでも、テザリング先の端末を守るには個別接続が必要という前提は変わりません。
実際にテザリングを使うシーン別のおすすめ
利用シーンごとに向き不向きを整理すると、選びやすくなります。
なおMillenVPNとNordVPNのDNSリーク対策を比較した検証でも、両社とも公式サイトにテザリング固有の記述がない点は共通していました。
VPNの帯域制限対策とあわせてテザリング時の速度低下も確認しておくと、外出先でのトラブルを減らせます。
もうひとつ、空港のラウンジでテザリングを使ったときにも失敗した経験があります。
この経験から、テザリングを使う前にパソコン側のVPN接続状況を必ず目視で確認する癖がつきました。
ここまでの内容に加えて、読者から寄せられやすい疑問も簡単に補足しておきます。
迷ったときは公式サイトの最新情報を優先して確認することをおすすめします。
まとめ|テザリング時のVPN選びで失敗しないために
MillenVPNとNordVPNのどちらも、テザリングという言葉を名指しした公式ページは持っていませんでした。
実機検証の結果、両社とも「VPNは接続した端末しか守らない」という同じ技術的な原則に従っていることが確認できました。
- スマホでVPN接続していても、テザリング先の端末は自動では守られません。
- 守りたい端末それぞれにVPNアプリを入れて個別に接続する必要があります。
- 台数を優先するならMillenVPN、第三者監査の実績を優先するならNordVPNが候補になります。
筆者自身も一度は勘違いした部分だからこそ、この原則だけは最初に押さえておくことをおすすめします。
台数を優先するか監査実績を優先するかで選ぶサービスは変わりますが、守るべき考え方はどちらも同じです。
その一手間さえ守れば、MillenVPNとNordVPNのどちらを選んでもテザリング時の失敗はかなり減らせます。
迷ったときはテザリング対応の比較結果を今すぐ確認から詳細を見てみてください。
外出先での悩みに寄り添う内容を読んでくださり、ありがとうございます。
テザリング先の安全への不安が消え、どこでも快適にネットが使えますように。
出典・参照元
本文は2026年9月時点の公式情報と検証結果に基づきます。料金や仕様は変更される場合があるため、契約前に公式サイトでご確認ください。









