ExpressVPNとNordVPNは、どちらもアプリをインストールすればワンクリックで接続できますが、貴重な時間を使ってここまで読んでくださった方には、その先の話が本題です。
ただしルーターや一部のOSでは、アプリを使わないnative接続(手動接続)が必要になる場面もあります。
今回は両サービスの設定ファイルを取得し、実際に手動接続を試して設定の手間を比べてみました。

ExpressVPNとNordVPNのnative接続とはどんな仕組みなのか?
native接続とは、専用アプリを使わずOS標準のVPN機能や汎用クライアントで直接つなぐ接続方法です。
ExpressVPNのnativeプロトコル対応
ExpressVPNは、会員ポータルの「Advanced setup」から手動設定用のOpenVPN構成ファイルを配布しています。
ユーザー名とパスワードは、通常のログイン情報とは別に発行される専用の認証情報です。
- 会員ポータル(portal.expressvpn.com/setup)にログインします。
- 「Advanced setup」から「Manual configuration」を選びます。
- 専用のユーザー名・パスワードを確認します。
- 接続先ロケーションの.ovpnファイルをダウンロードします。
- ファイルはロケーションごとに個別に管理します。
- アプリ内で使うLightwayは手動設定の対象外です。
手順自体はシンプルですが、ファイルの管理は増える点を覚えておきたいところです。
NordVPNのnativeプロトコル対応
NordVPNも同様に、OpenVPN形式の構成ファイルをアカウントページから配布しています。
普段アプリで使われる独自プロトコルのNordLynxは、手動設定用の構成ファイルが用意されていません。
LightwayやNordLynxのような独自プロトコルの設定ファイルが配布されないのは、単なる出し惜しみではなく、専用アプリの内部処理と一体化して設計されているためです。
汎用のOpenVPNクライアントに移植できる形になっていないので、手動接続では速度と引き換えに枯れた標準プロトコルを使うしかない構造になっています。
| 比較項目 | ExpressVPN | NordVPN |
|---|---|---|
| native手動設定の対応プロトコル | OpenVPN(UDP/TCP) | OpenVPN(UDP/TCP) |
| アプリ独自プロトコル | Lightway(手動設定不可) | NordLynx(手動設定不可) |
| 認証情報の種類 | 専用ユーザー名・パスワード | サービス認証情報 |
| 設定ファイルの単位 | 拠点ごとの.ovpn | 拠点・プロトコルごとの.ovpn |
| ファイルの粒度 | ロケーション単位 | ロケーション×プロトコル単位 |
表からもわかるとおり、設定ファイルの単位に細かな差が出ています。
普段からプロトコルを切り替えて使いたい人は、この違いを踏まえて選ぶと安心です。
なぜアプリではなくnativeモードで手動接続する人がいるのか?
公式アプリが対応していない機器や環境で接続したいという事情が背景にあります。
native接続を選ぶ理由
ルーターや一部のNAS、Linuxディストリビューションでは公式アプリが提供されていない場合があります。
そうした環境でも、OpenVPN構成ファイルさえあれば手動でVPN接続を確立できます。
- 公式アプリ非対応のルーターに直接設定したい方がいます。
- アプリのインストールが制限された社用PCで使いたい方がいます。
- OSやディストリビューションがアプリの対応外になっています。
- 複数拠点の切り替えを設定ファイル単位で管理したい方もいます。
- 公式アプリの自動更新や常駐プロセスを減らしたい方もいます。
- 複数のVPNサービスを一つのクライアントで統一管理したい方もいます。
- 海外出張先などで公式アプリの配布そのものが制限されている場合に備えたい方もいます。
用途がはっきりしている人ほど、native接続をあえて選ぶ理由もはっきりしてくるものです。
native接続のデメリット
手動接続では、アプリが自動でやってくれていた機能の多くを利用者側で管理する必要があります。
- キルスイッチが自動では有効になりません。
- 分割トンネリングの設定がアプリより煩雑になります。
- サーバー混雑時の自動切り替えが働きません。
- プロトコルの自動最適化も働きません。
- 接続状態を示すアイコン表示も簡素になります。
- サーバーの混雑具合を事前に確認する手段が限られます。
- 不具合が起きた際の問い合わせ先がわかりにくくなり、自力での切り分けが必要になります。
便利さを取るか自由度を取るか、この時点で選択を迫られる形になります。
普段使いはアプリ、特定の機器だけnative接続と使い分ける方法も選べます。
ExpressVPNをnativeモードで手動接続する手順はどうすればいいのか?
会員ポータルでの認証情報取得と、OpenVPNクライアントへの取り込みが基本の流れです。
ExpressVPNの設定ファイル取得と準備
まず会員ポータルにログインし、「Advanced setup」の「Manual configuration」を開きます。
ここで表示される専用ユーザー名・パスワードと、拠点別の.ovpnファイルを控えておきます。
OpenVPN GUIなど汎用クライアントも、事前にインストールしておく必要があります。
準備さえ整えば、あとは接続作業に進むだけの状態になります。
ここまでの工程は会員ポータルの画面を順番にたどるだけなので、迷う要素は少ないです。
複数拠点をまとめて使う予定がある人は、あらかじめ必要な分をまとめて取得しておくと効率的です。
ExpressVPNの接続手順とつまずきポイント
OpenVPN GUIのアイコンを右クリックし、「Import file」から.ovpnファイルを読み込みます。
この点を勘違いして、通常のログイン情報を入力し認証に失敗したことがありました。
- Import fileで.ovpnファイルを読み込みます。
- 専用ユーザー名・パスワードを入力します。
- DNS漏れ対策にblock-outside-dnsを追記します。
- 接続後は表示IPで反映を確認します。
詳しい速度面の違いは、通信速度を実際にじっくり計測してみた検証結果もあわせて参考になります。
NordVPNをnativeモードで手動接続する手順はどうすればいいのか?
先に公式アプリをアンインストールしてから進めるのが、公式の推奨手順です。
NordVPNのサービス認証情報の取得
Nord Accountにログインし、「NordVPN」の「Manual setup」から「Service credentials」を開きます。
ここで表示されるユーザー名・パスワードは、Nord Accountのログイン情報とは別物です。
同じページからOpenVPNの構成ファイルを、UDP・TCPそれぞれダウンロードできます。

認証情報さえ揃えば、以降の流れはExpressVPNとほぼ同じです。
ファイル名にサーバー名が入っているため、あとから見返しても迷いにくい作りです。
NordVPNの接続手順とつまずきポイント
ダウンロードした構成ファイルは、OpenVPNの設定フォルダにコピーしておきます。
OpenVPN GUIは管理者権限で起動しないと、正しく接続できないことがあります。
この手順を飛ばして権限エラーになり、原因探しに時間がかかったことがありました。
- 構成ファイルをconfigフォルダへ配置します。
- OpenVPN GUIを管理者権限で起動します。
- Service credentialsで接続を認証します。
- Windowsではblock-outside-dnsを追記します。
アプリ削除を忘れると接続エラーの原因になりやすく、注意が必要です。
一度設定を済ませてしまえば、拠点の切り替えはファイルの入れ替えだけで完結します。
初回だけは公式アプリの削除有無を必ず確認しておくと、余計なやり直しを防げます。
ExpressVPNとNordVPNの手動接続はどちらが設定しやすいのか?
手間の総量で見ると、事前準備の一手間が多いのはNordVPNという印象です。
対応プロトコルと設定難易度の比較表
両者ともOpenVPNベースですが、事前準備の工程数に差があります。
| 比較項目 | ExpressVPN | NordVPN |
|---|---|---|
| 事前のアプリ削除 | 不要 | 公式に推奨 |
| 認証情報の取得場所 | Advanced setup | Manual setup |
| 体感の設定難易度 | やや易しい。 | やや手間がかかります。 |
| DNS漏れ対策 | ファイル編集で対応 | ファイル編集で対応 |
| 管理者権限の要否 | クライアント側で必要 | クライアント側で必要 |
| 拠点切り替えの手間 | ファイル差し替えのみ。 | ファイル差し替えのみ。 |
総合的に見ると、事前準備の工程数がそのまま体感の差になっています。
どちらのサービスも、一度設定を終えれば以降の運用に大きな違いは出にくいです。
失敗しやすいポイントの違い
どちらも認証情報の取り違えが、つまずきの大部分を占めていました。



- ExpressVPNは専用ユーザー名の入力ミスが多く見られます。
- NordVPNはアプリ削除忘れによる競合が起きやすくなります。
- 両方とも管理者権限の起動忘れが起こります。
- DNS漏れ対策の追記漏れも共通の落とし穴になります。
- 拠点を切り替える際のファイル選び間違いも起きやすくなります。
MillenVPNとNordVPNのnative接続を比べた検証でも、似た傾向のつまずきが見られました。
手順を書面で残しておくだけでも、次回以降の設定にかかる時間はかなり短縮できます。
まとめ:「ExpressVPNとNordVPNをnative手動接続して設定の手間を比べてわかったこと」
ExpressVPNもNordVPNもOpenVPNで手動接続できます。
準備段階の手間ではNordVPNのほうがやや工程が多く、接続後の管理はどちらも自己責任の範囲が広がります。
両方とも専用の認証情報を使う点は共通していますが、事前のアプリ削除有無という一手間の差が体感につながります。
- ExpressVPNは専用認証情報とファイル取得だけで比較的シンプルに終わります。
- NordVPNはアプリ削除とサービス認証情報の準備が必要になります。
- キルスイッチや分割トンネリングは手動では効かない点に注意が要ります。
- ルーターや非対応OSで使う予定がある方に向いています。
- 拠点を頻繁に切り替える人は、ファイル管理の運用ルールを決めておくと安心です。
- 初めて挑戦する人は、平日の空いた時間に落ち着いて進めるのがおすすめです。
- 手順を一度メモしておけば、次回の再設定や別端末への展開もスムーズになります。
手動接続という手間のかかる設定について読んでくださり、ありがとうございました。
設定の壁を越えて、快適な通信環境にたどり着けますように。
出典・参照元
※本ページに掲載している口コミ・体験談は、特定の個人を特定できないよう配慮しており、ウェブサイトおよびSNS上の公開情報をもとに編集しています。個人の体験に基づく情報であり、すべての方に同じ効果や変化が生じることを保証するものではありません。料金・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式サイトにてご確認ください。









