在宅勤務のメンバーが増えて、個人用VPNのままでは管理が回らなくなってきました。
そこでNordVPNの「NordLayer」とセカイVPNの「グループ専用VPN」という法人向け窓口を実際に申し込んでみました。
NordVPNとセカイVPNの個人向け比較はネット上に数多くありますが、法人契約の実態を書いたものは驚くほど少ないです。
NordVPNとセカイVPNの法人向けサービスはそもそも何が違うのか?
NordVPNとセカイVPNは、どちらも法人向けに個人プランとは別ブランドを用意しています。
NordLayerを契約して分かったこと
NordVPNの契約画面には法人プランの案内がなく、別サイトのNordLayerへ移動する必要がありました。
初めて見る画面だったので、本当にNordVPNの関連製品なのか一瞬疑ってしまいました。
NordLayerで実際に確認できた特徴は、次のようなものでした。
- 最小契約人数は5ユーザーからです。
- シングルサインオンや多要素認証が全プランで使えます。
- 管理者はダッシュボードから権限をまとめて設定できます。
- プランはLite・Core・Premium・Enterpriseの4段階に分かれています。
グループ専用VPNに申し込んで分かったこと
セカイVPNのマイページには法人向けメニューが見当たらず、別サービスとして探す必要がありました。
正解は同じインターリンクが運営する「グループ専用VPN」で、セカイVPNの兄弟サービスという位置づけでした。
セカイVPNの利用規約とは別に、グループ専用VPN専用の利用規約が用意されていました。
細部まで読み込むほど、単なる同一サービスの上位版ではないことが伝わってきました。
申し込みページを読み込むと、法人利用を意識した仕様がいくつも見つかりました。
- 標準で10アカウントと固定IPアドレス1個が付属します。
- アカウント数は10単位で最大200まで増やせます。
- 1アカウントにつき同時セッションは1つまでです。
- WireGuardに対応した「グループ専用VPN WG」という上位版も選べます。
名前も申込窓口もセカイVPNとは分かれているため、最初は同じ会社のサービスだと気づきませんでした。
公式サイトの案内も控えめで、検索エンジンで探し当てるまで少し時間がかかりました。
実際に法人アカウントを契約する手順はどれくらい大変か?
NordLayerとグループ専用VPNでは、申し込みから利用開始までの流れがまったく違いました。
NordLayerの申し込みからアクティベーションまで
NordLayerのサイトで会社名とメールアドレスを入力すると、14日間の無料トライアルへ進めました。
クレジットカード情報の入力画面が想像より早く出てきて、少し身構えてしまいました。
実際の設定画面で必要だった作業は、大きく分けて次の3つでした。
- 管理者アカウントの登録とチーム名の設定を行います。
- メンバーのメールアドレスを一覧で招待します。
- 各端末にアプリを入れてログインすれば接続が完了します。
管理者アカウントを作成し、メンバーを招待するだけで利用を始められる設計は好印象でした。
操作画面もすべて英語でしたが、項目名は直感的で迷う場面はほとんどありませんでした。
グループ専用VPNの申し込みから開通まで
グループ専用VPNはWebフォームから申し込むと、開通までに数営業日かかると案内されました。
支払い方法はクレジットカードのみで、請求書払いはこの窓口では選べませんでした。
開通までの流れをまとめると、次のようになります。
- 申し込みフォームでアカウント数と固定IPの希望を入力します。
- 審査後、サーバー1台がグループ専用に割り当てられます。
- 接続情報が届いたら、各メンバーの端末に設定します。
- 初回のみ、本人確認のための書類提出を求められる場合があります。
審査の連絡が来るまでの数日は、ずっと管理画面をそわそわ確認していました。
料金と請求書対応は経理担当者を満足させられるか?
単価だけを見るとどちらも安く見えますが、契約人数によって総額の印象は大きく変わります。
1人あたりの実質コストを並べてみる
NordLayerはLiteプランで1ユーザー月額8ドルからと案内されています。
固定IPを追加すると月40ドルが上乗せされ、5人チームでも合計はそれなりの金額になりました。
5人規模のチームを想定して、月額の目安を表にまとめました。
| 項目 | NordLayer(Lite) | グループ専用VPN |
|---|---|---|
| 最小契約単位 | 5ユーザー | 10アカウントです。 |
| 月額目安 | 5人で約40ドル | 10人分で5500円です。 |
| 固定IP | 別料金で月40ドル | 標準で1個付属します。 |
| 無料期間 | 14日間 | 最大2か月となります。 |
見積書・請求書・領収書の発行対応
NordLayerは管理画面の「Billing」から、領収書をPDFでダウンロードできました。
グループ専用VPNはクレジットカード払いが前提で、請求書払いには対応していませんでした。
支払い面の対応を整理すると、次の表のような差がありました。
| 項目 | NordLayer | グループ専用VPN |
|---|---|---|
| 領収書 | 管理画面でPDF発行 | 問い合わせ対応となります。 |
| 請求書払い | 上位プランで対応 | 非対応です。 |
| 支払い方法 | カード・銀行振込 | クレジットカードのみとなります。 |
| 見積書 | オンラインで即発行 | 個別に問い合わせが必要です。 |
経費精算を重視する会社なら、この一点だけで選択肢が絞られるかもしれません。
逆にカード払いだけで完結する小規模事業者には、グループ専用VPNの手軽さがそのまま利点になります。
同時接続とセッション制限は業務にどこまで影響するか?
台数やセッションの上限は、契約時につい見落としがちなポイントです。
NordLayerの1ライセンスあたりのデバイス上限
NordLayerは1ライセンスにつき、端末6台まで接続できる仕様でした。
個人向けNordVPNの上限より少なく、意外に感じたポイントでした。
デバイス管理の面で気づいた点を整理すると、次のようになります。
- 1ライセンス6台までという上限がチーム全体の端末数を圧迫します。
- 管理コンソールから端末ごとに接続を強制解除できます。
- 退職者の端末はワンクリックでアクセスを止められます。
- 追加ライセンスは1人単位で購入でき、柔軟に増減できます。
営業担当者がスマホとノートPCの両方を使う場合、余裕は思ったより少なめでした。
タブレットまで含めると、実質1人あたり2台弱しか余裕がない計算になりました。
グループ専用VPNの1アカウント1セッションという壁
グループ専用VPNは、1アカウントにつき同時セッションが1つに制限されていました。
複数端末を使うメンバーがいるチームでは、アカウントの追加購入が前提になりそうです。
実際に運用してみて感じた制約は、次の3点でした。
- 1人が2台を同時に使うなら、2アカウント分の契約が必要です。
- OpenVPN接続なら、同一ルーター配下の複数端末はまとめて使えます。
- PPTPやL2TPの接続では、この裏技が使えない場合があります。
- アカウントの追加は10単位のため、1人分だけ増やすことはできません。
個人向けプランと法人向けプランの制限を並べると、次のような結果になりました。
| 項目 | セカイVPN(個人) | グループ専用VPN(法人) |
|---|---|---|
| 同時セッション | 3セッション | 1セッションとなります。 |
| 月額 | 1100円から | 5500円からです。 |
法人利用で本当に信頼して任せられるのはどちらか?
管理コンソールと権限設定の実力差
NordLayerの管理コンソールには、部署ごとにアクセス範囲を分けるネットワーク分割機能がありました。
グループ専用VPNには権限を細かく分ける管理画面はなく、固定IPを共有する仕組みだけでした。
管理者目線で比べた機能差を整理すると、次のようになりました。
- NordLayerはネットワーク分割で部署ごとの権限を分けられます。
- NordLayerはシングルサインオンで社内IDと連携できます。
- グループ専用VPNは固定IPの共有が中心で、権限分けの機能は持ちません。
- グループ専用VPNの管理はマイページでの接続情報確認が中心となります。
| 機能 | NordLayer | グループ専用VPN |
|---|---|---|
| SSO連携 | 対応 | 非対応です。 |
| 権限グループ分け | 対応 | 非対応です。 |
| 接続ログ確認 | 管理コンソールで可能 | マイページで簡易確認となります。 |
拠点や部署が増える見込みがあるなら、この管理機能の差はいずれ効いてくるはずです。
逆に1拠点だけで完結するチームなら、機能の多さがかえって使いこなせない要因にもなりえます。
運営会社の情報開示という判断材料
Nord SecurityはNordVPN全体について、独立した監査人による検証を複数回受けてきました。
一方インターリンクは東京都渋谷区に本社を置く日本の会社で、情報を確認しやすい点は安心材料でした。
運営体制を比べた際の判断材料は、次のようにまとめられます。
- NordVPNは複数回の第三者検証を受けている点が強みです。
- インターリンクは日本法人で、契約や問い合わせを日本語で完結できます。
- 海外の法域に不安があるなら、日本法人という安心感は軽視できません。
- サポートの対応時間も日本のビジネスアワーに合わせやすい傾向があります。
海外法人か日本法人かという違いは、契約書のやり取りひとつとっても体感で差が出ました。
まとめ:NordVPNとセカイVPNの法人利用、結局どちらを選ぶべきか
実際に契約して感じたのは、想定人数と管理ニーズで向き不向きがはっきり分かれるということでした。
少人数のスタートアップや個人事業主に向くのはどちらか
5人以下で固定IPの共有だけが目的なら、グループ専用VPNの月額5500円は魅力的です。
- 初期費用を抑えたいなら、グループ専用VPNが有利です。
- 請求書払いが必須の会社は、NordLayer側を検討してください。
- 固定IPの共有だけで足りるなら、管理機能の多さは過剰装備になります。
拠点間接続や事業拡大を見据えるならどちらか
今後人数が増え、権限管理やSSOが必要になりそうならNordLayerに分があります。
逆に人数が今後も5人前後で安定するなら、グループ専用VPNの割り切った仕様で十分間に合います。
- 部署ごとの権限分けが必要なら、NordLayer一択です。
- 海外拠点とのやり取りが多い会社にも、NordLayerは向いています。
- 端末台数が増え続ける見込みなら、ライセンス単位の柔軟さが後々効いてきます。
出典・参照元
ここまでの比較で自身に合う方が見えてきた方は、法人向けVPNプランの料金を比較するのもおすすめです。
法人利用の細部まで読み進めてくださった方に、ありがとうございました。
迷いが解消され、事業がより円滑に進むきっかけになりますように。
料金やプラン内容は変更される場合があるため、契約前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。


