通信内容を暗号化してくれるはずのVPNのアカウントが乗っ取られたら、道具そのものが逆に弱点になってしまいます。
この不安を確かめるため、MillenVPNとNordVPNのマイページに実際にログインし、二段階認証まわりを一つずつ触ってみました。
結論から言うと、両者とも二段階認証は用意していますが、方式の幅と復旧手段の厚みにはかなりの差がありました。
筆者は以前、別のオンラインサービスで二段階認証の設定を後回しにして青ざめた経験があります。
公共のWi-Fiや複数端末で使う機会が多い人ほど、ログインまわりの作り込みは軽視できないポイントです。
同じ轍を踏まないよう、MillenVPNとNordVPNのログインセキュリティを実機ベースで比較していきます。後回しにしがちなこのテーマで悩んでここに来た方も多いはずで、そうした方の役に立てば本望です。
MillenVPNとNordVPNのログイン方式、そもそも何が違うのか?
二段階認証の話に入る前に、両社のログインの仕組み自体の違いを押さえておきます。
マイページとVPN接続、パスワードが分かれる仕組みとは?
MillenVPNは契約者向けマイページのパスワードとVPNアプリ用ログイン情報が別物として管理されています。
- MillenVPN:マイページ用パスワードとVPNアプリ用ログイン情報が分離しています。
- MillenVPN:VPNアプリ用の情報はマイページの「VPNアプリ ログイン情報」欄で確認します。
- NordVPN:アプリもマイページも同一のメールアドレスとパスワードでログインします。
- NordVPN:メールアドレスとGoogle・Appleアカウント連携ログインも選択できます。
- NordVPN:連携ログインを使う場合はパスワードの管理自体が不要になります。
実際に筆者はこの違いに気づかず、契約時のパスワードをVPNアプリへ何度も打ち込んでは「接続エラー」の表示にため息をついていました。
原因が分かるまで20分ほど同じ操作を繰り返してしまい、正直かなり間抜けな時間でした。
マイページとVPN通信の権限を分ける設計には、片方が漏れてももう片方への被害を抑える効果があります。
二段階認証は両サービスとも用意されているのか?
「MillenVPNのような国産VPNには二段階認証なんてないのでは」と決めつけていましたが、実際は違いました。
- MillenVPNはマイページの「Security Settings」から二段階認証を有効化できます。
- NordVPNはアカウント全体に対して多要素認証(MFA)を設定できます。
- MillenVPNは認証アプリかメール認証のどちらか一方のみ選べます。
- NordVPNは認証アプリとセキュリティキーの両方を登録できます。
- どちらのサービスも設定は任意ですが、有効化しておくメリットは大きいです。
運営会社はMillenVPNがアズポケット、NordVPNがNord Securityです。
月額料金の目安はMillenVPNが396円〜、NordVPNは長期契約で480円〜になります。
料金差はわずかですが、二段階認証の柔軟性まで含めて比べると印象が変わってきます。
二段階認証を実際に設定してみたらどうだったか?
仕組みが分かったところで、実際に両サービスのマイページから二段階認証を有効化してみました。
MillenVPNの設定手順で戸惑った点は?
MillenVPNは「My Menu」内の「Security Settings」から手続きを進め、手順自体は難しくありません。
- マイページにログインし、My Menuからセキュリティ設定を開きます。
- 「Click to activate」を選び、認証アプリかメールのどちらかを選択します。
- 認証アプリならQRコードを読み取り、6桁のコードを入力して検証します。
- メール認証なら届いた8桁コードを入力して「Verify」を押します。
- 表示されるバックアップコードを必ず保存してから完了します。
- 完了後にログインし直し、二段階認証が有効になっているか確認します。
筆者は最初にバックアップコードの保存画面を、慌てた手つきでうっかり閉じてしまいました。
コードをスクリーンショットに残す前に、次の画面へ進むボタンだと思って誤って閉じるボタンを押してしまったのです。

この手の失敗は本当に一瞬の油断で起きるものだと痛感しました。
NordVPNの設定手順はどこまで柔軟だったか?
NordVPNはアカウント名から「Account Settings」を開き、「Manage MFA」から設定を進めます。
- 認証アプリ方式:Google Authenticator、Authy、Microsoft Authenticatorなどに対応します。
- セキュリティキー方式:FIDO2認定USBキー、NFC対応デバイス、Bluetoothキーを使えます。
- 認証アプリとセキュリティキーの両方を登録でき、片方を紛失してももう片方でログインできます。
- 設定完了後はバックアップコードが発行され、印刷や保存が推奨されています。
- メール認証による本人確認を挟んでから、各方式の登録画面に進みます。
MillenVPNが「どちらか一方」だったのに対し、NordVPNは方式を重ねがけできる設計です。
この違いを知った瞬間、筆者は思わず「ここまで差があるのか」と声が出ました。
設定画面の作り込みの丁寧さも、NordVPNのほうが一枚上手だと感じました。
バックアップコードを失くしたらどうなるのか?
二段階認証の最大の弱点は、認証端末を失くしたときにログインできなくなるリスクです。
MillenVPNのバックアップコード運用は?
MillenVPNのバックアップコードは公式ヘルプによると使い切り型で設計されています。
- バックアップコードは1回限りの使用が前提で、使用後は自動的に無効化されます。
- コードをすべて使い切った場合は再度コードを発行し直す必要があります。
- 認証手段そのものを完全に失った場合はサポートへの問い合わせが必要になります。
- 代替の認証手段を並行して登録する仕組みは公式ヘルプ上には見当たりません。
筆者は過去に別サービスでスマホごと2FA認証アプリを紛失し、目の前が真っ暗になった苦い経験があります。
バックアップコードはそのスマホの中のメモアプリにしか保存しておらず、開こうにも開けない状態でした。


結局、身分証を使ったサポートの本人確認だけを頼りに、復旧するまで落ち着かない数日を過ごしました。
- クラウドのメモアプリだけに保存するのはおすすめできません。
- そのアカウント自体が乗っ取られた場合、バックアップコードごと流出してしまうからです。
- 紙に印刷しておくか、オフラインのパスワード管理アプリに残しておくほうが安全です。
NordVPNのバックアップコード運用と復旧手段は?
NordVPNは認証アプリとセキュリティキーの両方を登録できる設計そのものが復旧の保険になっています。
- バックアップコードは印刷や保存が推奨されており、再発行にも対応しています。
- 認証アプリを紛失しても、登録済みのセキュリティキーでログインを続けられます。
- 両方の手段を失った場合はサポートへの問い合わせが最終手段になります。
- 複数端末で使う人ほど、この二重構造の恩恵を受けやすくなります。
片方の手段が使えなくなっても、もう片方が残っていればログイン自体は成立します。
この二重構造は、実際に試してみると想像以上に心強いものでした。
予備の手段を用意しておくかどうかで、いざという時の焦り方はまるで違ってきます。
設定にかかる数分の手間は、後から振り返ればずっと安く済む投資だと感じました。
二段階認証は本当にログインを安全にしてくれるのか?
そもそも「二段階認証を設定して本当に安全性が上がるのか」という疑問が頭から離れませんでした。
パスワードだけでは防げない攻撃とは?
家の鍵に例えると分かりやすいかもしれません。
強固なパスワードは頑丈な鍵ですが、合鍵を作られてしまえば意味がありません。
二段階認証は、合鍵を持つ人が来ても中に入れない「もう一つの扉」の役割を果たします。
- フィッシングでパスワードを盗まれても、認証コードがなければログインできません。
- 他サービスから漏れたパスワードの使い回しによる不正ログインを防ぎます。
- 公共Wi-Fiなど不特定多数がいる場所での不正アクセス試行にも効果があります。
- 端末を紛失した際も、パスワードだけの状態より被害を抑えやすくなります。
この疑いは実際に調べてみると杞憂だったと分かりました。
パスワード漏洩だけを前提にした攻撃は珍しくなく、被害を防げたケースは数多く報告されています。
フィッシングサイトで認証コードごと入力させる手口も存在するため、URLの確認は依然として欠かせません。



運営会社の所在地とノーログ監査で見える信頼性の差は?
ログインセキュリティの話は、運営会社そのものの信頼性とも切り離せません。
- MillenVPNの運営会社は日本のアズポケットです。
- NordVPNの運営会社はパナマ拠点のNord Securityです。
- パナマにはデータ保持義務がなく、プライバシー保護に有利な法域です。
- NordVPNはノーログポリシーについてPwC AGの第三者監査を受けています。
- MillenVPNは日本法に基づく運営体制を前面に打ち出しています。
MillenVPNはノーログポリシーを掲げているものの、第三者監査の結果は公表されていません。



一方でNordVPNが監査を受けている点は、ExpressVPNとNordVPNの二段階認証・ログインセキュリティ比較でも触れた強みと重なります。
「セキュリティキーまで用意する必要が本当にあるのか」と半信半疑でしたが、調べるほど納得感が増しました。
まとめ|MillenVPNとNordVPNのログインセキュリティ比較
手軽さ重視ならどちらが向くか?
- 日本語サポートを重視するならMillenVPNが安心です。
- 設定手順を最短で終わらせたいならMillenVPNの方が迷いにくいです。
- 認証方式を組み合わせて冗長性を持たせたいならNordVPNが向いています。
- 複数端末やビジネス利用が多いならNordVPNの復旧手段の厚みが効いてきます。
- 公共の場でPCを使う機会が多い人ほどセキュリティキーの価値を感じやすいです。
- 家族や複数人でアカウントを共有する予定があるなら管理体制も比較材料になります。
普段使いの範囲であれば、どちらを選んでも二段階認証そのものの安心感は得られます。
総合的にどちらを選ぶべきか?
設定の分かりやすさを取るならMillenVPN、認証方式の柔軟性と復旧力を取るならNordVPNです。
- 手早く二段階認証を済ませたい人にはMillenVPNが向いています。
- 紛失時の保険を厚くしたい人にはNordVPNが向いています。
- 迷ったら、まずはどちらか一方だけでも二段階認証を有効化しておくべきです。
出典・参照元
ここまでの比較で自身に合う方が見えてきた方は、セキュリティ重視VPNの料金を比較するのもおすすめです。
ログインの入り口を固めておくことは、通信内容そのものを守ることと同じくらい重要です。
セキュリティという地味なテーマを追ってくださった皆さんに、感謝の気持ちでいっぱいです。
不安が解消され、安心してVPN生活を楽しめますように。
本記事は各サービスの公式情報と実機検証を基にしていますが、仕様は変更される場合があります。










