「VPNを繋げば通信内容もアクセス先も隠れる」と、当時のわたしは疑いもなく信じていました。
ところが実際にDNSリークテストを走らせてみると、暗号化トンネルの外側で契約プロバイダの名前がしれっと表示されていたことがあります。
今回はMillenVPNとExpressVPNを対象に、VPNのDNSリーク(DNS漏洩)って何?対策方法を調べてみたの基礎を土台にDNSリーク対策を実測しました。

ここまで目を通してくれたことに感謝しつつ、DNSリークという地味なテーマの中身に入っていきます。
DNSリークとは何か、なぜVPN接続中でも漏れるのか?
まずDNSリークという言葉の意味と、VPN接続中でも発生してしまう仕組みから整理していきます。
DNSリークの仕組みを郵便配達にたとえると?
DNSはドメイン名をIPアドレスに変換する住所録のような役割を担っています。
- ブラウザで「example.com」と打つたびに、端末は裏側でこの住所録に問い合わせています。
- VPNの目的は、この問い合わせを含む通信すべてを暗号化トンネルの中に閉じ込めることです。
- ところがOSの設定やアプリの作り込み次第で、DNSの問い合わせだけがトンネルの外へ漏れることがあります。
- この問い合わせが暗号化されていないと、ISPは閲覧履歴のドメイン名をそのまま把握できてしまいます。
これを郵便に例えるなら、荷物本体は専用トラックで運んでいるのに、宛先を書いたメモだけ近所のポストに投函してしまう状態です。
本当に守られているのか、頭では理解していても実測するまでは半信半疑でした。
実際にテストしてみるまで、この漏れは目に見えないので疑いが晴れませんでした。
IPv6リークも見落とせない理由とは?
DNSリークとセットで語られがちなのがIPv6リークです。
- 多くのVPNクライアントは、もともとIPv4通信のトンネリングを主眼に設計されてきました。
- 端末がIPv6にも対応している環境では、IPv6経路だけがVPNの制御から外れてしまうことがあります。
- WebRTCという別の仕組みでも、ブラウザの実装次第で実IPが漏れることがあります。
- スマートフォンのモバイル回線ではIPv6が標準で有効になっている場合が多く、見落としがちです。
- IPv6を無効化する設定は端末ごとに手順が異なり、見落としがちな作業です。
実務でよく見かける漏れ方を、次の表に整理しました。
| 種類 | 発生条件 | 気づきにくさ |
|---|---|---|
| DNSリーク | DNS制御の不備 | 中 |
| IPv6リーク | IPv6無効化漏れ | 高 |
| WebRTCリーク | ブラウザの実装 | 高 |
対策の軸は今回もDNSリークです。
この基礎知識を踏まえたうえで、ここから2つのサービスの実測に入ります。
言葉だけの安全宣言より、手元で確認できる実測結果のほうがずっと納得できます。
MillenVPNのDNSリーク対策は実際どこまで機能するのか?
国産VPNの代表格であるMillenVPNのDNS対策の仕組みを、設定画面から実測結果まで確認していきます。
MillenVPNの独自DNSと保護設定の中身は?
MillenVPNはアズポケット株式会社が運営する国産VPNで、月額396円からという価格帯が特徴です。
- 接続すると通信経路上のDNSサーバーはMillenVPN側が用意するものに切り替わります。
- 契約プロバイダの情報はトンネルの内側に隠れる作りになっています。
- アプリ側にはDNS漏洩保護のオン・オフ切り替えが用意されており、初期状態ではオンです。
- Windows版アプリはバージョン2.3.0.0でこの切り替え機能が追加され、以降の版で標準搭載されています。
ここを不用意にオフへ切り替えると、保護が働かなくなる点は覚えておく必要があります。
- MillenVPNアプリを起動し、設定メニューを開きます。
- 「DNS漏洩防止」の項目がオンになっているか確認します。
- 接続後にdnsleaktest.comでExtended Testを実行します。
自宅回線とテザリング回線の2パターンで試したところ、両方ともISPのDNSサーバーは表示されませんでした。
失敗したDNSリーク設定から学んだこととは?
以前、MillenVPNをOpenConnectのnative接続で手動設定していた時期がありました。
- ExpressVPNとMillenVPNのnative接続設定を実際に比べたら手間に差があったでも触れたとおり、手動構成だと保護機能がすり抜けることがあります。
- このときOSのネットワーク設定でDNSアドレスを指定していたのですが、その指定が優先されてしまいました。
- DNSリークテストサイトを開くと、ISPの名前がくっきり表示されていて、思わず二度見しました。
- 原因は単純で、手動設定時にDNS漏洩防止のチェックを入れ忘れていただけでした。
- この体験以降、手動接続を使うときは必ずDNS設定を二重チェックする習慣がつきました。
- この失敗談を通じて、手動設定の落とし穴の怖さを実感しました。
アプリ版の初期設定に戻したところ、次のテストではMillenVPN側のDNSだけが表示されるようになりました。

この第三者検証の報告からも、アプリ経由の標準的な使い方であれば大きな不安はなさそうです。
ExpressVPNのDNSリーク対策はなぜ「自動」を掲げられるのか?
次に、追加設定なしでDNS保護を謳うExpressVPNの仕組みを詳しく見ていきます。
TrustedServerとプライベートDNSの関係とは?
ExpressVPNは全サーバー上で自社運用のプライベートDNSを稼働させています。
- DNSクエリは常に暗号化トンネルの内側だけで処理される構成になっています。
- ユーザー側で追加設定をしなくても、接続した瞬間からDNS保護が有効になります。
- 基盤となっているのはTrustedServerというRAMディスク方式のサーバー技術です。
- この仕組みにより、サーバー自体にログが残る余地がそもそもありません。
- ExpressVPNは2019年以降、毎年のように第三者監査の結果を更新公開しています。
データはディスクに書き込まれず、再起動のたびに消去される仕組みになっています。
この事例を知ったときは、正直なところ「本当に何も残っていないのか」と半分疑っていました。



KPMGによる第三者監査でも、この評価が2025年に公表されています。
実測したDNSリークテストの結果はどうだったのか?
白状すると、以前は「自動保護だから確認しなくていい」と思い込み、リークテストをしたことがありませんでした。
- 今回はWindowsとiPhoneの両方にExpressVPNを導入し、接続直後にリークテストを実施しました。
- 確認にはdnsleaktest.comとExpressVPN公式のDNS Leak Testの両方を使いました。
- IPv6を有効化した状態でも試しましたが、ここでもISP側の情報は表示されませんでした。
- モバイル回線とWi-Fiを何度切り替えても、検出されるDNSは常にExpressVPN運用のものでした。
- モバイルアプリでも同じ手順でリークの有無を確認できました。
- 公衆Wi-Fiに接続した状態でも、同じ結果が再現できました。
| 環境 | 検出DNS | 漏洩 |
|---|---|---|
| Windows自宅Wi-Fi | 運用DNS | なし |
| iPhoneモバイル | 運用DNS | なし |
結果はどちらもISP情報の露出はなく、IPv6経路も問題なく保護されていました。
「自動だから安心」と言われると、逆に本当に守られているのか疑いたくなる性分です。
実測結果と監査結果が同じ方向を指していたので、ここは安心材料として受け止めています。
料金と運営拠点の違いはDNSリーク対策の信頼性にどう影響するか?
価格差はセキュリティ機能の差に直結するのか?
MillenVPNは月額396円からという価格帯で、ExpressVPNは公式の長期プランで月額6ドル台からとなっています。
単純な数字だけを見比べると、両者には数倍の開きがあります。
- 今回検証した範囲では、DNSリーク対策という一点に実用上の欠陥は見当たりませんでした。
- 長期契約ほど月額が下がる仕組みは、両サービスともほぼ共通しています。
- 価格差はサーバー規模やUI、監査実績の厚みに表れる部分が大きいという印象です。
- MillenVPNは72か国以上、140拠点以上に2,000台超のサーバーを構えています。
- MillenVPNのサブスクプランには30日間の返金保証が付いています。
- ExpressVPNも同様に30日間の返金保証と24時間対応のライブチャットを用意しています。
- ExpressVPNはWindows・Mac・iOS・Androidの主要アプリで同じ保護方針を採用しています。
| 項目 | MillenVPN | ExpressVPN |
|---|---|---|
| 月額目安 | 396円〜 | 約6〜13ドル |
| 拠点 | 日本 | 英領ヴァージン諸島 |
| DNS保護 | オン・切替可 | 常時オン・自動 |
価格帯と運営拠点の方向性は対照的です。
ジュリスディクション(法域)の違いは何を意味するのか?
MillenVPNは日本法人が運営しているため、日本語サポートと国内取引の分かりやすさが利点です。
ExpressVPNの拠点である英領ヴァージン諸島には、VPN事業者に通信ログの保存を義務付ける法律がありません。
- この法域の違いが、渡せるデータそのものが存在しない状態を作れるかどうかに関わってきます。
- 英語オンリーのサポートに不安がある方は、日本語対応の有無を必ず確認してください。
- 法域選びに絶対的な正解はなく、どこまでのリスクを許容できるかで判断が変わります。
- どちらのプランも複数デバイスへの同時導入に対応しており、家族での利用にも向いています。
- 価格帯と運営拠点の方向性は、見事なまでに対照的だと感じました。
- MillenVPNは日本語サポートの手厚さと価格の安さが魅力です。
- ExpressVPNは第三者監査の蓄積と自動化された保護機能が魅力です。
- 法域の違いは価格には表れませんが、有事の際の実効性には直結します。
DNSリーク対策の実効性だけで比較すると、両者に大きな優劣は付きませんでした。
本記事の実測結果は検証時点の環境に基づきます。最新情報は各公式サイトでご確認ください。
まとめ:DNSリーク対策で選ぶならどちらか?
違いが出るとすれば、保護を利用者が意識して確認できる作りか、最初から自動で守られる作りかという設計思想の部分です。
今回の実測とアプリの仕組みを踏まえると、次のポイントで選ぶのが分かりやすいと感じました。
- 手動設定やカスタム接続を試す方はMillenVPNのDNS漏洩防止設定を必ず確認してください。
- 追加設定なしで安心したい方にはExpressVPNの自動保護が合っています。
- 価格と日本語サポートを重視するならMillenVPN、監査実績を重視するならExpressVPNです。
- 迷ったら定期的にdnsleaktest.comで環境を確認するのが確実です。
- どちらを選んでも、DNSリークという基本的な弱点への対策は十分に機能していました。
- 最終的には価格、日本語サポート、監査実績のどこに重きを置くかで決めれば十分です。
- 今回の検証結果が、サービス選びで迷っている方の判断材料になれば幸いです。
出典・参照元
ここまでの比較で自身に合う方が見えてきた方は、DNS漏洩対策に強いVPNの料金を比較するのもおすすめです。
見えない部分の不安が消えて、安心してネットを楽しめますように。









