小さな会社のリモートワーク環境を整えようとしてVPNを探すと、個人向けの案内ばかりが目についてしまいます。
そこで実際にNordVPNとGlocal VPNの両方を法人名義で契約し、業務利用に耐えるかどうかをじっくり検証してみました。
結果として、同じ「VPN」という括りでも、両者の向き不向きはかなりはっきり分かれることが分かりました。
今回はプラン内容や台数制限だけでなく、経理処理や監査実績まで含めて幅広く比べています。
結果を先に言うと、人数や運用形態によって最適解ははっきり分かれる印象でした。
業務寄りの話題をわざわざ調べに来た人は、かなり具体的な事情を抱えているはずです。

個人向けVPNなら何でも小規模オフィス用に転用できると思い込んでいた点は、大きな反省点でした。
NordVPNとGlocal VPNは法人利用にどこまで対応しているのか?
両社の法人向け対応を、まず公式サイトに載っている情報から丁寧に整理してみました。
NordVPNの法人向けプランと機能は何がある?
NordVPNには個人向けプランとは別に、NordLayerという法人専用ブランドが用意されています。
NordLayerは1ユーザー単位で契約する仕組みで、管理者が権限をまとめて設定できる点が特徴です。
| プラン | 月額目安 |
|---|---|
| Lite | 8ドル前後 |
| Core | 11ドル前後 |
| Premium | 14ドル前後 |
どのプランも最低契約人数は5人からで、少人数から段階的に拡張できる設計になっています。
200人を超える規模になると、Enterpriseという専用プランで個別見積もりに切り替わる仕組みです。
- シングルサインオン連携
- 専用IPアドレスの追加
- 端末ごとのアクセス権限管理
個人プランにはない機能ばかりで、規模が大きくなるほど恩恵を感じやすい構成だと思います。
支払いはクレジットカードだけでなく銀行振込にも対応しており、法人の経理フローに合わせやすい印象です。
Glocal VPNの法人向けサービスはどんな内容か?
運営元の株式会社グローカルネットは、法人向けに固定IPやWiFiなど幅広い通信サービスを展開しています。
ただしGlocal VPN自体は、あくまで個人利用を主眼にした単体のVPNアプリという位置づけです。
- 契約期間は1カ月・6カ月・12カ月
- 7日間の無料期間あり
- サポートは日本語対応
公式サイトを隅々まで見ても、複数アカウントをまとめて契約する導線は見つかりませんでした。
固定IPなど他の法人向けサービスとは別建てで、VPN単体には拡張オプションがない印象です。
ただしこちらはVPNアプリとは別契約で、今回比べているGlocal VPN本体とは仕組みが異なります。
両者を混同したまま見積もりを依頼すると、担当者との話がかみ合わなくなるので注意が必要です。
実際に契約してみて感じた台数制限の壁とは?
ここが今回の検証を通じて、いちばんはっきりと差が出た部分だと感じています。
Glocal VPNの1台制限で何が起きたか?
営業と経理の2人分を、ひとつのGlocal VPNアカウントだけで賄おうとして正直かなり焦りました。
同時ログインができず、公式のよくある質問ページをあわてて確認する羽目になりました。
- 営業用アカウント:1契約目
- 経理用アカウント:2契約目が別途必要
- 予備端末用:さらに追加契約が必要
人数分だけ契約を積み増す必要があるとは、申し込み前にはまったく想像していませんでした。
同じ1台制限の話はExpressVPNとGlocal VPNの法人利用比較でも課題として触れています。
台数さえ足りていれば快適に使えるだけに、この制限だけが惜しいという感想を持ちました。
本当に法人向けとして案内されているサービスなのか、利用規約を何度も読み返したほどです。
結局は法人向けの申込み窓口が別に用意されていることに気づき、そちらへ切り替えて事なきを得ました。
NordVPNの10台まで同時接続は業務にどう活きるか?
同じ検証をNordVPNで行うと、ノートPCとスマートフォンを1つのアカウントで問題なく併用できました。
小規模なチームであれば、個人プランの範囲内でも当面の業務端末をまかなえる余地があります。
- 営業担当のノートPC
- 経理担当のスマートフォン
- 外出用の予備タブレット
本当にこれだけで法人利用として足りるのか、契約直後は半信半疑になりました。
ただし人数が今後も増える見込みがあるなら、早めにNordLayerへ乗り換えたほうが管理は楽になります。
実際に触ってみても、国を選んで接続ボタンを押すだけという手軽さは業務中でもストレスになりませんでした。
操作が複雑なツールほど社内で定着しない経験があるだけに、この単純さは地味に効いてきます。
経費精算のための領収書・請求書対応に差はあるのか?
法人契約で見落としがちなのが、経理処理に欠かせない書類まわりの対応です。
NordVPNの領収書発行はどんな流れか?
マイアカウントの購入履歴から、対象の取引を選んでPDFの請求書をダウンロードする流れです。
書類には契約日や支払い方法に加えて、法人番号や納税者番号もしっかり記載されていました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行方法 | 即時ダウンロード |
| 記載情報 | 契約日・法人番号 |
| 言語 | 英語表記中心 |
初めて経費精算に出したときは、英語表記の書類で通るかどうか正直少し不安でした。
結局は担当者に事情を説明して事なきを得ましたが、最初から日本語訳を添えておけばよかったと感じました。
- 領収書:PDFで即時発行
- 宛名:会社名で調整可能
- 再発行:マイアカウントから何度でも可能
過去の契約分までさかのぼって発行できるので、決算期にまとめて処理する運用にも向いています。
担当者が変わっても同じ手順で再発行できるため、引き継ぎの負担が小さいところも助かりました。
紙で保管する手間もなく、電子帳簿保存にもそのまま対応できる形式だったのは想定外の収穫でした。
経理の担当者からも、確認のしやすさについては特に不満は出ていません。
Glocal VPNの請求書払いはどんな条件か?
グローカルネットは法人限定で請求書払いに対応しており、見積書の発行も依頼できます。
当月分の請求書は翌月10日までにメールで届き、月末までに支払う運用になっています。
- 請求書:メール添付が基本
- 郵送希望:送料330円が別途必要
- 見積書:依頼すれば個別に発行
紙の請求書をわざわざ郵送してもらう場合は、送料が別途かかる点も覚えておきたいところです。
個人契約のまま経費申請しようとして経理に差し戻された、という失敗も社内で実際にありました。
見積書を先に発行してもらえたおかげで、稟議を通す段階での説明はかえって楽でした。
法人向けの窓口から申し込み直すだけで、以降の請求書対応はスムーズに進みました。
法人が気にする安全性・監査実績はどちらが安心か?
セキュリティの裏付けとして、第三者による監査を受けているかどうかを調べてみました。
NordVPNの第三者監査の実績はどうなっているか?
NordVPNは2018年のPwC監査を皮切りに、これまで6回のノーログ監査を受けています。
直近ではDeloitteリトアニアが、ISAE3000という国際基準に沿って検証を実施しました。
- 2018年・2020年:PwCが実施
- 2022年〜2025年:Deloitteが実施

法人側としても、第三者による検証結果があると社内向けの説明がぐっとしやすくなります。
監査結果を稟議書に添えるだけで、上長への説明時間がかなり短縮できました。
法律で保存を強制されないというのは、そもそも保存する棚自体を持たないようなものだと考えると腑に落ちます。
拠点が海外に散らばる会社ほど、この種の裏付けは契約先を選ぶ判断材料として重宝します。
Glocal VPNの運営体制とセキュリティはどうか?
運営元は国内の通信事業を長く手がけてきた企業で、サポート対応の速さには安心感がありました。
一方で、NordVPNのような外部機関によるノーログ監査の結果は確認できませんでした。
監査実績の有無だけで安全性のすべてが決まるわけではありませんが、比較材料としては重要な要素です。
- 運営会社は国内の通信事業者
- サポートは日本語窓口のみ
- 第三者監査の公表情報は未確認
問い合わせへの返信は早く、国内企業ならではの安心感があったことは付け加えておきます。
日本国内に本社があるという安心感と、監査という客観的な裏付けは、そもそも比べる性質が違うとも感じました。
次に見直す機会があれば、公表資料の有無をあらためて確認したいところです。
まとめ:NordVPNとGlocal VPNはどう使い分けるべきか
最後に、利用シーン別にどちらを選ぶべきかを整理します。
複数人のチームで使うならどちらを選ぶべきか
| 比較項目 | NordVPN | GlocalVPN |
|---|---|---|
| 同時接続 | 10台 | 1台 |
| チーム管理 | あり | 未確認 |
| 監査実績 | 6回 | 未確認 |
Glocal VPNで同じ体制を組もうとすると、人数分の契約と管理の手間が余分にかかります。
台数制限を軽く見ていた最初の思い込みは、検証を通じてはっきり覆りました。
管理者が1画面で全メンバーの状況を把握できるかどうかは、日々の運用負担に直結する要素です。
個人事業主や少人数がGlocal VPNを検討する条件とは
逆に1人で完結する個人事業主なら、Glocal VPNの日本語サポートはむしろ心強い選択肢です。
英語のサポート画面に戸惑うくらいなら、多少の機能差より日本語対応を優先する考え方も理解できます。
- 契約者本人1人だけが使う
- 請求書払いで月次の経理処理を統一したい
- サポートは日本語のみで完結させたい
ここまでの比較でご自身に合う方が見えてきた方は、法人向けVPNプランの料金を比較するのもおすすめです。
規模拡大を見据えるなら、NordVPNとMillenVPNの法人契約を比べた内容も参考にしながら、最初からNordVPN側を軸に検討したほうが後々の手間は減ります。
法人利用という専門的な内容まで読んでくださり、ありがとうございます。
会社に合った選択肢が見つかり、業務が滞りなく進む毎日になりますように。
出典・参照元
本記事は2026年9月時点の公式サイト情報をもとに検証しました。プランや仕様は変更される場合があります。









