VPNを常時つないでいると、銀行アプリの動作が重くなったり、国内限定サービスに接続しづらくなったりすることがあり、検索してここにたどり着いた皆さんにも心当たりがあるかもしれません。
そこで注目したのが分割トンネリング機能です。
MillenVPNとExpressVPNの両方で実際に設定を試し、どこまで使える機能なのか確かめてみました。

調べていくと、両社の姿勢の違いも見えてきました。
設定でつまずいた点や失敗した点も、まとめて共有していきます。
分割トンネリングとは何ができる機能なのか?
特定の通信だけVPNを通さずに直接インターネットへ送り出す仕組みです。
アプリ単位とIP単位の違い
分割トンネリングは、家の水道にたとえると分かりやすい機能です。
すべての蛇口を浄水器に通す代わりに、特定の蛇口だけ元の水道管に直結させるイメージです。
この仕組みには大きく分けて三つの方式があります。
- アプリ単位。指定したアプリの通信だけVPNを迂回させる方式です。
- IP・URL単位。指定したサイトやIPアドレス宛の通信だけを直接接続にする方式です。
- 逆分割(インバース)。指定したアプリだけVPNを通し、それ以外は直接接続にする方式です。
- 併用型。アプリ単位を基本にしつつ、一部だけIP単位で補う運用も可能です。
- 企業利用。部署やチームごとにアプリ単位とIP単位を使い分ける例もあります。
- 個人利用。動画配信サービスとネットバンキングの組み合わせでよく使われます。
- 注意点。設定を欲張りすぎると、かえって管理が煩雑になりやすくなります。
MillenVPNとExpressVPNの対応状況
結果を整理すると、両社の対応にははっきりした差がありました。
| 項目 | MillenVPN | ExpressVPN |
|---|---|---|
| 分割トンネリング機能 | 搭載(ドメイン単位) | 搭載 |
| アプリ単位の除外 | 不可 | Windows・Mac・Androidで可能 |
| URL・IP単位の除外 | ドメイン単位で可能 | Windows・Mac・Linux・iOSで可能 |
| ルーター経由の設定 | 非対応 | 対応ルーターあり。 |
| 逆分割(インバース) | 非対応 | Windowsで対応 |
対応OS・デバイスの比較でも触れたとおり、対応の幅そのものに差がありました。
特にiOSは制限が大きく、契約前の確認が欠かせないと感じました。
導入前に一覧化しておくと、契約後の後悔を防げます。
- MillenVPNのみを使う人は、代替策を先に検討しておくと安心です。
- ExpressVPNのみを使う人は、対応OSを事前に確認しておくと安心です。
ExpressVPNの分割トンネリングは実際どこまで使えるのか?
アプリ側の設定画面から数タップで有効化でき、動作も安定していました。
設定手順で分かったこと
設定はプロフィールタブから「Split Tunneling」を選ぶだけで始められます。
実際の操作は次の三段階で完了しました。
思ったよりも直感的な画面で、迷う場面は少なめでした。
- ExpressVPNアプリのプロフィールタブを開きます。
- Split Tunnelingをオンにし、VPNを経由させたいアプリを選びます。
- 直接接続にしたいアプリを個別にチェックします。
- 設定を保存し、接続を再確立して動作を確認します。
この一件以来、金融系アプリだけは必ずVPN経由側に固定するよう決めています。
速度と安全性を両立できるのかという疑問は、この時点でかなり解消されました。
細かい制御ができる分だけ、最初の操作にはやや手間もかかります。
対応OSごとの違い
OSによって設定できる粒度が異なる点にも注意が必要でした。
公式サイトのFAQにも、対応表として同様の内容がまとめられていました。
この一覧は保存版として控えておくと便利です。
| OS | 設定方式 | 特徴 |
|---|---|---|
| Windows | アプリ単位・サイト単位 | 逆分割にも対応 |
| Mac | アプリ単位・IP単位 | サブネット範囲まで指定可能 |
| Android | アプリ単位 | 設定項目がシンプル |
| Linux | アプリ単位・IP単位 | サブネット範囲まで指定可能 |
| iOS | IPアドレス単位のみ。 | アプリ単位の除外は非対応 |

もう一つ混乱したのが、アプリ単位の設定とIPレンジ単位の設定を同じ画面で切り替える操作でした。
最初は両方を同時に指定しようとして、意図しないアプリまで直接接続に変わっていました。
iOSの制限は、出口が一つしかない高速道路の料金所のようなものだと感じました。
- Windows・Macは自由度が高く、細かい調整がしやすい環境でした。
- モバイル環境では、機種やOSのバージョンによる差も見られました。
MillenVPNには分割トンネリングの機能があるのか?
公式ニュースを確認すると、分割トンネリング機能はアプリ更新で順次追加されていました。
公式ニュースで確認した結果
Mac版はv2.1.0、Windows版はv2.4.0、Android版はv2.2.0で対応が始まりました。
iOS版への実装は最後になり、2026年8月27日配信のv2.2.0でようやく追加されました。
ただし制御できる単位はアプリではなく、通信先のドメイン(URL)単位に限られます。
- Mac接続。v2.1.0のアップデートでドメイン単位の除外に対応しました。
- Windows接続。v2.4.0のアップデートで同様の機能が追加されました。
- Android接続。v2.2.0のアップデートでドメイン単位の除外に対応しました。
- iOS接続。v2.2.0(2026年8月27日配信)で最後に対応しました。
- アプリ単位の除外。現時点ではどの接続方式にも用意されていません。
この結果は、以前確認した時点の情報とは大きく変わっていました。
公式の対応が進んだことで、選べる範囲も少しずつ広がってきています。
代替手段として使える設定
ドメイン単位では対応済みですが、アプリ単位の細かい制御にはまだ工夫が必要です。
実際に試して現実的だと感じた代替策は次のとおりでした。
- 国内サービスを使うときだけ一時的にVPNを切断します。
- スマホ側でモバイル回線とVPN端末を使い分けます。
- ルーターの経路設定で特定の宛先だけ迂回させます(上級者向けです)
- 海外用と国内用でVPN契約そのものを分けてしまう方法もあります。
- 会社のリモートアクセスVPNと契約VPNを目的別に併用する方法もあります。
- 渡航中だけ短期プランに切り替えて、帰国後は解約する運用方法もあります。
- 自宅は有線ルーター、外出時はモバイル回線と役割を分ける方法もあります。
速度が本当に上がるのか半信半疑で試しましたが、切断した瞬間だけは体感できるほど軽くなりました。
料金や運営拠点、監査体制にも差はあるのか?
分割トンネリング以外の条件も、契約前に押さえておきたいポイントです。
料金プランを比べてみると
料金プランの比較でも分かるとおり、両社の価格差は思ったより大きなものでした。
実際の支払い額は、契約時の為替レートによっても変わってきます。
数字だけでなく、サポート体制も含めて比べておきたいところです。
| プラン | MillenVPN | ExpressVPN |
|---|---|---|
| 長期プラン目安 | 月額396円前後(2年契約時) | 月額2ドル台後半(2年契約時) |
| 更新後の目安 | 月額950円前後+税 | 年額99.95ドル前後(Basicプラン) |
| 初期費用 | 無料 | 無料 |
| 返金保証 | 30日間 | 30日間 |
長期契約ほど割安になる構造は共通していますが、通貨が異なる点は見落としやすい部分です。
キャンペーン価格は変動しやすいため、契約直前の再確認をおすすめします。
年払いと月払いの総額差も、事前に比較しておく価値があります。
運営拠点と第三者監査の有無
ノーログ監査の比較を見ると、拠点や監査体制の違いもはっきりします。
拠点の違いは、有事の際の情報開示姿勢にも影響してきます。
普段は意識しにくい部分ですが、長く使うなら無視できない要素です。
- MillenVPNは大阪のアズポケット株式会社が運営し、日本の法律のもとでサービスを提供しています。
- MillenVPNは第三者機関によるノーログ監査を実施していません。
- ExpressVPNは英領バージン諸島に拠点を置き、5eyesなどの同盟国に含まれません。
- ExpressVPNはKPMGとPwCによるノーログ監査を複数回受けています。
- アズポケット社はレンタルサーバー事業も手がける実在の国内企業です。
- ExpressVPNは英領バージン諸島の法域にあり、外部からの開示要求が届きにくい構造です。
- 両社とも公式サイトで運営会社の情報を明記しています。


監査結果は、公式ブログのプレスリリースでも随時確認できました。
更新頻度も定期的で、公開姿勢そのものに安心感がありました。
普段は意識しない部分ですが、いざという時に差が出るところです。
分割トンネリングを使うとき何に気をつければいいのか?
便利な機能ほど、設定ミスがそのままリスクに直結します。
設定ミスで起きるリスク
除外設定を広げすぎると、本来隠したい通信まで漏れてしまう恐れがあります。
実際にどこまで危険なのか、想像より深刻なケースもありました。
特に共有Wi-Fiやフリースポットでは、その差が思わぬ落とし穴になりかねません。
- 金融・決済系アプリは除外リストに入れません。
- 渡航先や公衆Wi-Fi利用時は除外設定を見直します。
- 用途が終わったら分割トンネリング自体をオフに戻します。
- 公共のフリーWi-Fi利用時は分割トンネリング自体を一時停止します。
- 初めて使う公衆Wi-Fiでは、念のため全通信をVPN経由にします。
- 月に一度は除外リストの中身そのものを見直します。
出張から戻った後も設定を切り忘れ、数週間そのまま使い続けていたことがありました。
慣れてきた頃こそ、確認を怠りやすくなると実感しました。
気を抜いた瞬間ほど、思わぬ事故は起きやすいと痛感しました。
こんな人におすすめの使い方
全員に必要な機能というわけではなく、向き不向きがはっきりしています。
- 海外の動画配信と国内バンキングアプリを同時に使いたい人です。
- 在宅勤務で社内システムと業務外アプリを使い分けたい人です。
- 通信速度を優先しつつセキュリティも両立させたい人です。
- 複数のクラウドサービスを国や地域ごとに使い分けたい人です。
- 出張中に海外の口座管理と国内ネットバンキングを両方使う人です。
- 拠点が複数ある小規模事業者で、通信を用途別に分けたい人です。
用途がはっきりしている人ほど、恩恵を実感しやすい機能だと感じました。
逆に常時VPN接続で困っていない人には、無理に使う必要はない機能とも言えます。
まとめ|MillenVPNとExpressVPNの分割トンネリングを試した結論
実際に触ってみると、結論ははっきり分かれました。
ExpressVPNは分割トンネリング目当てで選ぶ価値があります。
- アプリ単位で細かく制御したい人はExpressVPNが向いています。
- 国内サービスとの相性や料金の安さを優先する人はMillenVPNが向いています。
- 銀行アプリの除外ミスや設定の切り忘れも実際に経験しました。
- 設定ミスがそのまま情報漏えいにつながる怖さも実感しました。
- 迷ったときは分割トンネリング対応の有無を判断基準にするのも一案です。
- 両方を短期プランで試してから本契約に進む方法も安全です。
- 今回のように機能の有無で選ぶ視点も、契約後の失敗を防ぎやすくなります。
| 比較軸 | 向いているサービス |
|---|---|
| アプリ単位の細かい制御 | ExpressVPN |
| 料金の安さと国内サポート | MillenVPN |
契約前には、それぞれの公式サイトで最新の対応状況を確認しておくことをおすすめします。
- 数分の確認で、契約後の後悔をかなり減らせると感じました。
- 今回の比較が、選ぶときの判断材料の一つになれば十分です。
分割トンネリングという少し専門的な機能について読んでくださり、ありがとうございました。
用途に合った設定で、快適な通信環境を手に入れてください。
出典・参照元
本ページの情報は2026年9月時点の公式サイト・ヘルプセンターの確認内容に基づきます。料金や仕様は変更される場合があります。









